敗血症の診断治療の現状と臨床試験のポイント

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本セミナーでは、敗血症の臨床症例、治療の現状、今後の展望について解説いたします。

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プログラム

2003年Levy等は重症敗血症を血圧低下・臓器への低灌流・臓器不全といった3頭を有する野獣に例え、新たな”bundles”を携えて重症敗血症の治療に当たることを提唱し、翌年surviving sepsis campaign guidelineの発表に至った。  Surviving sepsis campaign guidelineは2008年に改訂されたが、その際中心的役割を担ったVincent等は、血行動態の改善・感染巣のコントロール・sepsisに対する生体反応の制御といった”bundles”を提唱している。1998年にBendtzenは、重症敗血症に随伴する多臓器不全の原因として、エンドトキシンによる好中球の活性化と活性化好中球による内皮細胞障害、さらには内皮細胞の障害による血栓形成を指摘している。  内皮細胞障害によるcapillary leakと血栓形成が各臓器への虚血再還流を招き、これによって臓器障害がもたらされることを発表した。その後、特に本邦を中心として重症敗血症後の凝固異常を改善することが多臓器不全の治療に有効であることが報告されてきた。  凝固異常による血栓形成をもたらす最終物質であるトロンビンの制御機構として、内皮細胞上に存在するトロンボモジュリンと内皮細胞上のへパリン様物質でトロンビンと結合するアンチトロンビンが挙げられる。  以上のような経緯から、我々は重症敗血症に対して血行動態の改善と感染巣のコントロールに加えて内皮細胞障害を如何に改善させるかといった観点に着目した。内皮細胞上には内因性のトロンボモジュリンとアンチトロンビンによるトロンビンの制御機構が存在する。  重症敗血症においては内皮細胞障害が生じることで内因性のトロンビン制御機構が失われ、内皮細胞上の血栓形成が生じることで多臓器の虚血再還流障害による多臓器不全が惹起される。トロンボモジュリンアルファおよびアンチトロンビンⅢは播種性血管内凝固症候群の治療薬として認可されており、これらの薬剤による重症敗血症に対する治療効果が期待されている。  我々は、マウス敗血症モデルを作成し、トロンボモジュリンアルファおよびアンチトロンビンⅢの急性肺障害に対する効果を検討することで抗炎症作用の有無を確認した。臨床症例においては既存の治療と既存の治療にトロンボモジュリンアルファを加えた治療とのランダム化試験を行うことで、トロンビン制御作用および抗炎症効果を介する重症敗血症患者の転帰改善の有無を評価した。  以上の結果を踏まえて、敗血症に対する内皮細胞保護療法における今後の展望について議論を重ねたい。

  1. バリューヘルスケア
    1. 日本の医療の現状
    2. 病院経営改革
    3. 医薬品・医療機器産業への期待
  2. 我が国の治験・臨床試験・臨床研究
    1. 日本の治験・臨床研究の実態
    2. 治験活性化5カ年計画
    3. 医療イノベーション
  3. 敗血症治療のターゲット
    1. SSCG
    2. マウス敗血症モデルを用いた基礎研究
    3. 内皮細胞保護療法
    4. 単施設ランダム化試験から多施設共同研究へ
    5. 治療薬のポテンシャルを活かす投与法
    6. 今後の展望

会場

タイム24ビル
135-8073 東京都 江東区 青海2丁目4-32
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