本セミナーでは、量子ドットの基礎から応用、量子ドット構造の形成制御、メカニズムからデバイスへの応用例までを解説いたします。
半導体量子ドットの作製方法として、格子不整合歪に起因したストランスキー・クラスタノフ (SK) 成長モードを利用した自己組織化 (自己形成) 法、液滴エピタキシー法、ナノ領域の選択成長法などのボトムアップ法の他にナノ領域の選択エッチング法や溶液中の化学合成法などがある。 中でもSK成長モードに基づく自己形成法の研究は、1990年頃から活発に進められ、量子ドット構造の作製技術も着々と発展し、量子ドットの物性研究の進展とともに種々の量子ドットデバイスの試作開発も展開されてきた。特に、光通信情報処理システムでは、量子ドットレーザー、量子ドット半導体光増幅器、量子ドット単一光子発生器などへの応用が進み、最近では量子ドット太陽電池への期待も高まっている。 しかし、それら量子ドットデバイスの実用化および期待される高いパフォーマンスの実現にはまだ多くの課題も残されている。 本セミナーでは、SK成長モードによる量子ドットの自己形成法を中心に、量子ドット構造の形成制御、成長メカニズム、量子ドット構造の評価解析などの作製評価技術から量子ドットデバイスの基礎について解説し、これまでの研究開発の現状と今後の展開について述べる。