(2013年8月7日 10:30〜12:00)
(株) セイロジャパン 技術顧問 工学博士 吉井 正樹 氏 [元 日立化成 (株) ]
フィラー充填樹脂系において,流動性を確保しながら効率よく高熱伝導化するには,フィラーの最密充填設計が不可欠です. 本講演では,最密充填法についての理論的裏付け,計算例などを紹介します. また,高熱伝導化については,各種熱伝導複合則とその適用法を紹介します.樹脂の高熱伝導化については,半導体封止樹脂を中心に,その現状と動向を研究例を交えて紹介します.
(2013年8月7日 13:00〜14:30)
香川大学 工学部 材料創造工学科 准教授 工学博士 楠瀬 尚史 氏
わずか0.2W/mK程度の絶縁体有機樹脂の熱伝導を向上させるために、高熱伝導セラミックスとの複合化が研究されている。 しかしながら、市販のセラミックス粉末は焼結性を重視して作製されているため、一般的に粉末としての熱伝導は低いものであった。 本研究では、高熱伝導を有する窒化ホウ素 (BN) および窒化ケイ素 (Si3N4) フィラーを化学合成し,エポキシ樹脂に添加することにより作製した高熱伝導ハイブリッド材料について報告を行う。
(2013年8月7日 14:45〜16:15)
名古屋大学 大学院工学研究科 結晶材料工学専攻 准教授 博士 (工学) 竹中 康司 氏
固体体材料の熱膨張制御を行う際に必要となる材料学的基礎を修得します。無機固体を中心に、固体の成り立ちや熱膨張をはじめとする物理的性質、熱膨張の評価法を解説します。 金属や樹脂など様々な材料の熱膨張を制御する目的で、「温めると縮む」負熱膨張材料を熱膨張抑制剤として含有する複合材料が検討されています。 この負熱膨張材料については、近年進展がめざましく、従来材料の数倍から十倍大きな負熱膨張を示す新規材料も見つかっています。これら巨大負熱膨張材料について、その材料群とメカニズムを詳しく紹介します。 また、これら負熱膨張材料を熱膨張抑制剤として含有する熱膨張可変複合材料について、実例をもとに、材料設計に必要な複合則や複合化で実現される機能、今後の課題などを解説します。