2012年は、北米ケーブル業界にとって全社が増収増益となり、非常に好決算で終わった。これは、幹線のHFCとDOCSISケーブル・モデムへの投資の見返りと言われている。 但し、ビデオの加入者は減少を続けており、且つ顧客が4スクリーンでストリームでのコンテンツ視聴に動いている状況にある。将来を見てみると、通常の放送を見る加入者が減っている分、データの加入者増加での増収が止まったとたんに、減収が始まる危機感を持っている。如何にしてこのビデオの加入者を確保し続けるのか? これに対応する為に、加入者1世帯あたりの投資を減らして、あらゆるサービスに対応できるプラットフォームを構築しようとしている。また、加入者の増えないビデオサービス用のSTBも世界標準化でコストダウンを進めようとして動いている。さらには、改めて「モバイルTV」への期待から投資が活発化している。 本講演では、このクラウド・システムの動向とSTBの標準化を中心に最新の北米・欧州のケーブル会社の取り組みについて、報道に現れない変革を含めてご紹介する。日本の多チャンネル配信事業者、放送局、コンテンツ、通信事業者他、広く関連事業者の将来対応の一助となれば幸いである。