空調設備の役割は、医薬品の品質を保持し、安定供給を担保し、かつ製造環境の塵埃、微生物をいかに効率よく排除するか、である。
規制内容に多少の差はあるものの各国の医薬品GMPで、無菌工程の空調システムに関しては、明確な規制が示されている一方、固形製剤等の非無菌工程の空調システムに関しては、製品の品質および純度に重要な影響を与えるか否かは各製品、工程の特性によるため、製造業者の判断に委ねられている。このことが必要以上に設備内容へのエスカレートを生んだ一因となっている。
空気処理システムの位置付けは、設計・施工・試運転・保守のあり方によっては、汚染及び交叉汚染を引き起こす要因ともなり、また汚染および交叉汚染を最少になることも可能な「製造を支援するシステム」の1つである。
- GMPでの空調システムの規定
- GMPの国際調和
- PIC/S GMPへの対応
- 空調システムのバリデーションの進め方
- 空気清浄度の基準
- 清浄度と換気回数
- クリーンルームの環境について
- クリーンルームの方式・形態の種類
- 清浄空気の測定方法
- 測定頻度・回数
- サンプリング方法
- 測定位置
- 空中浮遊菌および落下菌の測定
- 清浄度のクラスと作業内容
- 各区域での作業内容
- 無菌操作区域
- 汚染防止、清浄度保持のための室圧・差圧管理
- 無菌製品の差圧管理のカスケード
- 室圧及び空気の流れ
- 無菌製品の差圧管理 生物学製剤、ペニシリン
- 同時異種非無菌を製造する交叉汚染防止に留意した空調
- 異種製品の同時生産がなく、廊下での交叉汚染がない場合の室圧・空気の流れ
- 空調の全体システム
- 原薬バルクの設備区分
- 空調設計の最低必要条件
- 空気の流れ
- 作業台周辺の空気の流れのスモーク・パターンテスト
- クリーンベンチでの人の作業と空気の流れ
- アイソレーション・システム
- HEPAフィルターのリークテスト
- 空調処理システムのバリデーション
- バリデーションの実施項目と対象範囲
- 測定方法
- 判定基準
- 評価と処置基準
- 空調処理システム選定の諸条件
- 制御とモニタリング
- 保守・メンテナンス