(2013年7月29日 10:30〜12:30)
京都大学大学院 薬学研究科 ナノバイオ医薬創成科学講座 特定准教授 Ph.D. 吉森 孝行 氏
バイオ医薬品に対する免疫原性は、臨床試験中または上市後のタンパク医薬の医薬品としての是非をも左右する深刻な問題である。しかしながら、製薬企業においてバイオ医薬品中のタンパク質会合・凝集体、そしてHost cell proteins (HCP) を評価する技術は未だ旧態依然であると言える。またタンパク質の会合・凝集体やHost cell proteins等の免疫原性に関する認識においても、日本国内では未だ正確な情報の浸透は進んでおらず、国を挙げての啓蒙が必須であると考える。 本セミナーでは、バイオ医薬品における免疫原性のリスク因子について述べるとともに、リスク因子であるタンパク質会合・凝集体とHCPを評価する技術にフォーカスし、現行法の問題点を指摘するとともに新規評価法について紹介する。
(2013年7月29日 13:20〜16:00)
大阪大学 工学研究科 生命先端工学専攻 准教授
兼任 (株) ユー・メディコ 取締役 博士 (薬学) 内山 進 氏
バイオ医薬品の治療面での有効性が認識され、抗体医薬をはじめとして多くのバイオ医薬の開発が進んでいるが、有効性と安全性の上で問題となるのが免疫原性である。 本講演では、免疫原性について、生じるメカニズム、評価法、および要因となる因子を説明する。引き続いて、免疫原性を低減させる方法と免疫原性の予測法、について解説する。抗体の開発および製造における留意点について、有効性と安全面からの把握を目指す。