ポリマーナノコンポジット材料は、無機と有機の特性を併せ持つ新しい材料として注目されている。その中で、高屈折率無機ナノ粒子を分散させたポリマーコンポジット材料は、新しい光学材料として、精力的な開発が行われている。
ポリマーナノコンポジット材料を作製するための基本技術は、凝集し易いナノ粒子のポリマー中への均一分散を達成することである。
この基本技術に焦点を当てつつ、高屈折率ポリマーナノコンポジットについてのこれまでの開発例や新規な取組みについて説明する。
- 屈折率材料の用途と光学特性
- ポリマーナノコンポジット材料の用途
- 用途と光学特性
- ポリマーナノコンポジット化の利点
- どうして有機ポリマーマトリックスの材料が求められるのか
- 有機ポリマーの構成元素と基本物性、化学的特性
- ポリマーの分子構造と結晶性
- ポリマーの相図、ガラス転移温度
- 有機ポリマーの光学特性
- 結晶性と透過率
- 屈折率の波長、温度依存性
- 高屈折率ポリマーの分子構造
- 高屈折率化の問題点
- 無機物質の物性と特徴
- 無機物質の基本物性、化学的性質
- バルクの性質とナノサイズ効果
- 高屈折率な無機材料の種類
- ポリマーナノコンポジット材料に必要な構造
- 粒子による光散乱を防ぐには -粒子による光散乱の理論-
- 粒子の高分散達成の必要性
- 分散体形成のための基礎知識
- 有機溶媒中での分散安定性 -分子間力と溶解度パラメータ-
- 高分子溶液中の分散安定性 -浸透圧と枯渇効果-
- 分散体の安定性理論 -DLVO理論と粒子凝集速度論-
- ポリマーナノコンポジット作製法
- 均一相から相分離を利用する方法
- Sol-gel 法による無機/有機複合化
- 無機ナノ粒子析出法 (ポリマー溶液中in situ 析出法)
- ナノ粒子分散法
- ブレンド法
- in situ重合法
- 従来の作製法と作製膜の特性
- 用いられた無機物質の種類とサイズ、屈折率
- 用いられたポリマーの種類と屈折率
- 開発されたナノコンポジットの光学特性
- チタン酸バリウムを用いた新規高屈折率ポリマーナノコンポジットの開発
- チタン酸バリウムの特性
- チタン酸バリウムの高屈折率、高誘電率特性
- ナノ粒子の特性とサイズ効果
- チタン酸バリウムナノ粒子の合成法
- 高透明性ポリメチルメタクリレートとのナノコンポジット膜
- 作製法と膜中の粒子分散性
- 作製膜の光透過特性、平面平滑性
- 作製膜の屈折率、誘電率
- 作製膜の耐紫外線特性
- 耐熱性ポリイミドとのナノコンポジット膜
- 作製法と膜中の粒子分散性
- 作製膜の光透過特性、表面平滑性
- 作製膜の屈折率、誘電率
- 作製膜の高耐熱性
- まとめ