色彩・外観で捉える官能評価と感覚の定量化・商品開発と戦略

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消費者が商品購入の際に選ぶ基準の大事な要素として、デザイン・色・外観といった部分は大きな要素を占めています。不況といわれる現在、消費者の動向は安価なものはしかり、さらには高品質・良質なものを選ぶようになってきている中で、いかに消費者に選ばれる製品を作り上げるか、感性工学・人間工学的観点から科学することが必要不可欠です。  今回は官能評価・デザインのスペシャリスト3名を講師に迎え、消費者心理をつかむ製品へ、徹底的に解説いただきます。

第1部 官能評価の基礎と商品開発への応用について ~外観の見た目感の定量化~

(2013年7月26日 10:00~12:45 間5分の休憩を含む)

パナソニック (株) 解析センター ユーザビリティ サポートグループ 立田 美佳 氏

 商品企画や開発を行う際、ユーザーの感じる実感を正確に捉えることが重要になってきます。 ところが、主観による官能評価は、誰にでも取り組みやすいのですが、評価のやり方や条件設定によって被験者の回答が左右されやすいという課題も多く見受けられます。  このセミナーでは、人間工学的な考え方を元に、お客様視点で商品開発を行うためのアプローチ方法を始め、実際に過去に実施した「見た目感の定量化」をテーマに、官能評価から感覚の定量化のための評価技術開発について事例を元に解説します。

  1. 人間工学概論 お客様視点での商品開発について
  2. 官能評価手法の基本
    • 人間工学概論
    • 評価設計、計画概要
    • ユーザビリティ評価手法について
      • 評価の流れ
      • モニター数の設定、
    • 評価手法の使い分け
      • 分析手法の使い分けについて
      • 身体・動作計測の定量化手法について
      • 筋電図、視線計測、把持圧分布解析
    • ユーザー評価時のポイント
  3. 官能評価用語の選定から定量化での応用事例
    • 色彩の基本的知識
      • 光の性質
      • 色の表示系
      • 視覚系の構造/知覚
      • メタリックの発色原理
    • 色彩の計測技術
    • メタリック色の定量化評価技術開発について
  4. 実際の事例紹介
    • 商品評価におけるユーザー感覚の定量化事例
      • 浴室汚れ感の定量化
      • その他事例

第2部 商品デザインと色彩戦略

(2013年7月26日 13:30〜15:00)

大阪産業大学 デザイン工学部 建築・環境デザイン学科 教授 大門 敏彦 氏

 「色」は言葉 (情報) である。日常生活の中にある「色の機能」に気づき、「商品開発」や「デザイン開発」に活かしたい。「色」は商品コンセプト、デザインコンセプトの重要な要素である。事例を見ながら考えてみる。

  1. 「色」に情報はあるか?
  2. 売れる「色」・売れるデザインはあるのか?
  3. 「無意識」の部分を「意識」の世界へ
    • 発見すること (気づく、観察)
    • 感じること (感覚、感性、五感)
    • 考えること (比較、分析)
    • 提案すること (デザイン)
  4. 街の「色彩」ウォッチング
    • コンビニ「定点観測」
    • 「色」について発見したこと、感じたこと、考えたこと
  5. 「色」の機能
    1. 「色」で企業イメージをつくる 「企業理念」の表現
    2. 「色」で差別化 (区別) する
    3. 1つの「色」を征したら「ブランド確立」できる、ブランドの「色」、企業イメージの「色」
    4. 「色」で商品展開する、“差別化” のためだけの「色展開」では成功しない、「理由」がいる
    5. 「色」は「中味」を表現する
    6. 「色」は外見を表現する
  6. 「色」のイメージ
    1. 「赤」
      • 暖かい
      • 陽気な
      • 情熱的
      • 女性
      • 激しい
      • 怒り
      • 攻撃的
      • 革命
      • 野心的
      • 太陽
      • リンゴ
      • いちご
      • 紅いバラ
      • 赤信号
      • ポスト
    2. 「青」
      • 交通標識
      • 真面目
      • 冷たい
      • 知的
      • 清潔
      • 清らか
      • 地球
      • 真実
      • 冷静
    3. 「黄」
      • 目立つ
      • 信号
      • 陽気
      • 健康的
      • 美味しそう
      • 明るい
      • 若々しい
      • 楽しい
      • 可愛い
      • 軽快
      • 危険
      • 落ち着かない
      • 元気
      • 狂気
      • 禁止
      • 注意
      • ひまわり
      • バナナ
    4. 「緑」
      • 安全
      • 安心
      • 自然
      • 平和
      • 新鮮
      • 草原
      • 安らぎ
      • 癒し
      • 生命感
      • 平静
    5. 「シルバー・グレー」
      • 現代的
      • 他の色を引き立てる
      • 邪魔にならない色
      • 地味
      • 男性的
      • シャープ
      • 不安
      • 無気力
      • 陰気
    6. 「白」
      • 清潔
      • 人やモノを美しく見せる
      • モダン
      • 他の色を引き立てる
    7. 「黒」
      • 暗い
      • 真面目
      • モダン
      • 高級
      • 威厳
      • 強い自己主張
      • デザイナーズブランド
      • 都会的
      • 知的
      • 上品
      • 黒星 (負け)
  7. 商品のリデザイン
    • 商品デザインにも「色」の流行現象がある 「黒」「白」「金」「緑」「赤」「透明感」「カラフル」
  8. 「色」のまとめ
    1. 街には、赤、青、黄、緑、黒、白など「色」が溢れている
    2. 「色」は、学習によって心と体に蓄積される
    3. 蓄積された「色の情報」によって人間の行動は、左右される
    4. シズル感の「色」がある
      • 飲みたい、食べたいは、「黄」「赤」「白」「緑」「茶」などが多い
    5. 視覚的な「情報伝達」・・・ビジュアルコミュニケーション
      • 言語 (文字) +形 (写真・図・絵・イラスト) +「色」+態度
      • 視覚情報は86%,、その80%が「色彩」情報、「色」は人の心と体に影響を与える
    6. 「色」は言葉である
    7. 「色」の情報
  9. 私的な色情報
  10. 民間的な色情報
  11. 公的な色情報
  12. 自然の色
    • 色の情報は、人間が決める①②③
      1. 「桜」の色は「ピンク色」?
        • 「記憶の色」は、より鮮明な色のイメージ、ピュアーな色に表現される
  13. 商品デザインにおける「色」の機能
    1. 「色」で企業イメージをつくる
    2. 「色」で差別化する
    3. 「色」でブランドをつくる
    4. 「色」で商品展開する
    5. 「色」は戦力!
  14. 「色」を今一度、自分で感じること
    • 魅力、豊かさ、パワー、温かさ、冷たさ、クール、ホット、モダン、クラシック、優しさ、荒々しさ、静けさ、騒がしさ・・・・
  15. 「色」の鮮度! 既成概念の「色感」はダメ
    • 鮮度を失った言葉と一緒
  16. 商品デザインのキーワード
    1. 斬新であるか、「色」の鮮度、これでよいか?
    2. 創造性が高いか
    3. 優れた表現であるか
    4. 表現が効果的であるか
  17. 「すべてのデザインには、 理由がある」
    • 「すべての色彩には、理由がある」
  18. 中味と同じように「デザイン」は、「品質」であり「価値」である
  19. 単に、差別化のためでなく、「色彩」が「品質」や「価値」を表現するとき、“売れる商品”が誕生すかもしれない

第3部 技術を素材に、素材をデザインに。CMFデザインを活用した魅力ある商品づくり

(2013年7月26日 15:10〜16:40)
(株) FEEL GOOD creation クリエイティブディレクター 加藤 圭介 氏

 高級、かわいい、心地良いなど、感性に訴えかける魅力ある商品づくりには、CMF (カラー・マテリアル・フィニッシュ) デザインの存在が欠かせない。  しかし、製品デザインの中においてCMFの重要度が理解されているとは言えず、また、いざCMFデザインに手を付けようと思っても、どう開発すれば良いのか分からない、というのが実情であろう。  CMFの役割と、その開発手法について、事例を挙げながら紹介する。

  1. CMFデザインとは
    1. CMFデザインが求められる「背景」
    2. CMFデザインで「世界感」を表現する
    3. 「トレンド」の重要性
    4. 「バリエーション」の考え方
    5. CMFデザインの「課題」
  2. CMF発の新しいものづくりの仕組み
    1. デザインと技術を「繋ぐ」
    2. 技術を素材に、素材をデザインに「変換」する
    3. CMF DESIGN LINKでの「ものづくり」
  3. CMFデザインを「売る」ために
    1. 技術・素材のブランド化
    2. 世界が求める「日本のCMFデザイン技術」

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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