日本の治験は「遅い・高い・ (質が) 悪い」と酷評を浴びせられるときがあった。国際化の動きの中で、現在では少なくとも質に関しては決して悪くなく、多くの側面から必ずしもスピードも遅いわけではない。
ただ、コストの高さについては、治験だけでない経済の問題があるため、なかなか抑制し切れていない。
このような状況を鑑み、少しでも高さを抑制してスピード・質ともにアップさせる方法としての「原資料の電子的遠隔直接閲覧 (RSDV) 」を促進することにした。これは医療機関側だけでなく治験依頼者側との共同作業であり、日本の治験を空洞化させない大きな原動力となり得ると確信している。
今回の講義ではRSDVの技術面や今までの成果のお知らせに留まらず、RSDVを支えてより大きな力となるデータマネージャーの育成・運用についても述べたい。
本テーマ関連法規・ガイドラインなど
- 現場SDVから遠隔SDVへ
- SDVの分類とRSDVの位置づけ
- RSDV規制への対応
- RSDVの2つの流れ
- 近畿大学病院が使用するRSDV手法の解説
- 治験におけるIT化
- クラウドシステム (デヂエ) の使用方法
- データベースから書式作成
- 変更申請
- 安全性報告
- SAE報告
- 特殊暗号化システム (Final Code) の紹介と使用
- デヂエとFinal Codeのドッキング
- 電子IRBの構築と期待
- 電子的遠隔SDVの成果と課題
- 実施結果
- アンケート結果
- 使用者の感想と今後の展開
- サイトデータマネージャー (SDM) の育成と活用
- SDMの育成
- SDMの活用
- 治験から臨床研究への展開
- 臨床研究へRSDV手法を活用した事例紹介
- 臨床研究体制強化に向けたRSDV手法の活用
- まとめ~これからの飛躍にむけて~