国内スマートフォン市場も普及率がようやく約35%に到達し、いよいよアーリーアダプターから一般ユーザーへの普及拡大期に突入する。ソフトバンクが引き続き好調を維持し、KDDIも5年ぶりの増収転換を果たすなど、スマートフォンが通信事業者の収益改善に貢献し、今後の拡大期で更なる収益改善が見込まれる。
このような事業環境の中で、各社の戦略に違いが出て来ている。ソフトバンクは国内/海外の市場で攻めに転じ、KDDIはモバイル/固定の総合力で国内基盤を更に拡充させる。唯一増収転換の見通しが立たないドコモもiPhone投入の可能性を含ませながら、総合モバイルサービス事業の展開で競争力回復を狙う。
また、第3のOSの登場など、世界のメインストリームはApple、サムスン2強体制からの変化を感じさせる。
本講演では、国内3キャリアの現状の競争力と今後の注目点、残された課題について考察したい。
- スマートフォンがもたらすキャリア収益の改善
- スムーズに立ち上がるスマートフォンサービスでARPUの下げ止まりからプラス転換が見えて来ている
- ドコモ以外は収益環境が良好で更なるスマートフォン普及拡大へ攻めの姿勢
- 第3のOS登場のインパクトと業界構造に変化は起きるか?
- スマートフォンデバイス
- グローバルにスローダウンと言われるが、なぜ日本ではiPhoneのモメンタムが引き続き強いのか
- モデル数の絞り込みでアンドロイド陣営の競争も激化
- TDD or FDD:技術の進展でLTEに差は無くなりグローバルLTE端末の登場も近い
- ネットワーク競争力は差別化になるのか
- ソフトバンクが主張するネットワーク品質NO1の影響
- ネットワークはコモディティ化しはじめている
- LTE自体は差別か要素となるのか
- <ソフトバンク> モバイルインターネットの総合力
- 米国に成長を求める戦略と課題
- インターネットアセットをフル活用して更なる業績拡大へ
- モメンタム回復から成長への転換期
- 全国の世帯がスマートフォン/ブロードバンドバンドルのターゲット市場
- 5期ぶりの増収転換と3年間の2桁増益ターゲットへの自信
- <ドコモ> 唯一減収から抜け出せないドコモの回復はいつか
- 若い世代の加入者流出、iPhoneなしで奪還出来るのか
- 総合モバイルサービス事業戦略は消費者に受け入れられるか
- 質疑応答/名刺交換