(2013年7月4日 12:30〜15:15)
固体材料の熱伝導率および熱拡散率の測定方法には様々なものがあり、それぞれ測定可能な対象や範囲が異なります。本講座では、代表的な測定方法の原理と特徴と、それらを用いた応用的な評価技術を紹介します。また、目的に合った測定方法を選択する際の参考情報や測定結果の信頼性向上のために検討したい点を提案します。
(2013年7月4日 15:25〜16:40)
小型化やハイパワー化が進んだ電子部品やユニットにおいては、半導体素子部での接合温度 (Tj) 上昇に伴う短寿命化・故障率の増加 (信頼性の低下) が顕著な問題となって現れてきている。これら熱問題に影響する重要なパラメータの一つが熱抵抗であり、半導体素子や実装基板等の熱抵抗を測定する際には、これまでは主に熱電対、あるいは熱電対とPN接合部の温度パラメータを併用する方法が用いられてきた。 しかし、これら熱電対やPN接合部の温度パラメータを使用する評価手法では,熱電対の埋め込み再現性等に起因する測定精度の問題が無視できない状況となってきている。さらに、配置した温度センサ (熱電対やPN接合部) 部の飽和温度から熱抵抗を算出しているため、温度センサを配置できない箇所の熱抵抗を評価することが不可能であった. 最近ではこれらの手法に比べて、測定精度がより優れ、またデバイス内の熱的構造情報を取得可能な熱過渡特性解析法が注目され、JEDECにおいてこの手法を用いた熱抵抗測定の標準化がなされた。 本講演では、この熱過渡特性解析法が従来手法に比べてどの様なメリットを有するかの説明、評価にあたって注意すべき留意点、またどの様なデバイスや素材の測定・評価を行えるのか等を、実際の評価事例を交えて説明する。