食品包装・容器の法規制において、欧米は永年の経験よりそれぞれが独自の法体系を作り上げ、都度改正を進めている。基本的なコンセプトは類似点が多いが、具体的な規制の方式、申請方法と承認制度、安全性評価方法等に関し幾多の相違点があるのが現状である。米国では従来の化合物登録に代わり個別製品登録制度が完全に主流となり、EUではポジティブリストが法律となりプラスチック施行規則による溶出試験等の改正が進行中である。
これらの欧米の法規制の最新動向及び調査・照会方法、化学物質の関連情報を紹介し、欧米との整合化を検討中の日本及び進展の目ざましい中国との相違点に関しても触れたい。
- 初めに:包装を取り巻く環境
- 米国の法規制の最新動向
- 米国の法律とFDA (食品医薬品局)
- 連邦規則集の概要と各材料の規則
- プラスチックの規制の状況:従来からの化合物登録制度
- プラスチックの新制度の状況:食品接触物質の上市前届出制度 (個別製品登録)
- 新規化合物の申請方法:業界のためのガイダンス
- FDAの調査と照会の方法
- 食品安全近代化法の概要
- 欧州 (EU) の法規制の最新動向
- 法規制統合の仕組みと組織
- 各材料の規制状況:プラスチック・紙、統一ポジティブリスト、機能性バリアー
- プラスチック施行規則の動向:規格と試験条件の改正、ガイダンス
- 新規化合物の申請方法:
- 各国の法規制と欧州安全条項
- EUの調査と照会の方法
- ROHSとREACHの現状と包装への影響
- 日欧米中の現状比較
- 日本の課題と改正に向けた最新動向:溶出試験方法、業界自主基準方式
- 中国の最新動向
- まとめ ―企業としての品質保証の進め方と留意点―