本セミナーでは、イソシアナートの反応機構、種類、特徴と用途、製造方法、機能の向上、今後の技術動向について詳解いたします。
反応性の高い官能基であるイソシアナート (-NCO) 基を有する化合物は高分子材料の用途拡大に大きく貢献してきた。イソシアナート基の反応性が高いという特徴はイソシアナートベース高分子材料の組成選択幅と生成法あるいは成型法選択幅を広げるうえで大きな役割を果たしている。 組成の選択という観点からみると、多官能イソシアナート化合物からポリウレタンをはじめとしてポリウレア、ポリカルボジイミド、ポリイソシアヌレート、ポリアミド、ポリイミドなどさまざまな結合種をもつ高分子組成物が選択できる。 また、高分子材料の生成法あるいは成型法の選択という観点からみると、モノマーから瞬時に最終成型物を得ることのできるRIM成型法をはじめとして、一液湿気硬化法、一液加熱硬化法などさまざまな材料形成方法が選択できる。 一方、単官能イソシアナート化合物は脱水剤、カップリング効果をもつ化合物あるいは生物活性のある化合物の原料として幅広く使用されている。 本講座では、イソシアナート化合物を反応性と分子構造から分類し、各種イシアナートの特徴が機能発現あるいは加工成型にどのように生かされているのかを解説する。 また、イソシアナートの反応性制御触媒についても言及する。 さらに、イソシアナート化合物の機能・用途拡大および環境保全に関する今後の動向を展望する。