ゴムと微粒子との混練操作は、加硫技術が発見される以前から行われており、製品の特性や品質を左右する、加硫操作と並ぶ極めて重要な単位操作である。
したがって、ゴム及び配合する微粒子・粉体材料・添加剤 (配合資材等) の諸特性を十分に把握した上で、混練ラインの決定から運転・整備条件等を決め、さらにはオペレータの教育等が必要不可欠である。
本講座では、ゴムの本質を理解し、ゴム混練のメカニズムからプロセスの最適化の考え方、さらには適切なゴム練りを実現する手法など、資材の混練における分散の基礎から応用、実用的な技術、トラブル対応までを具体的に解説する。
- ゴムとゴム練りの小史
- ゴム加工における練り工程の位置づけ
- ゴム製品の製造過程は、原材料から製品までの過程が異常に長い
- 計測、計量器機の種類、数量が他の製造業に比して非常に多い
- 誰も教えてくれなかった、配合と加硫の間の重要性
- ゴム練りのメカニズム/ゴムは液体・気体か?
- 原料ゴム (ゴム) とは何か?
- ゴムについて・・
- ブレンドについて
- 充てん剤
- 補強剤
- 白色充てん剤
- 繊維・金属粉等
- 添加オイル・可塑剤
- 加硫剤・架橋剤
- 加工助剤
- ゴム練りのメカニズムと表面の変化への考察
- 分散/分配のメカニズム
- 加工機の種類と扱い方の基本
- 開放型混練機
- 混練り/分散過程
- ロール機/ (連続式混練機もある)
- 密閉型混練機
- 正規練りとアップサイドダウンによる方法
- 投入順序
- 分配投入法/オイル・加硫系など
- インターミックス
- バンバリーミキサ
- 加圧ニーダー
- 押出機タイプ混練機
- 加工機のオペレーションと管理パラメータ
- 温度
- 時間
- 冷却
- 粘着防止
- 環境
- 保管
- 回転数
- 回転比
- フィルファクタ
- トラブルについて
- 練り工程
- 川下工程
- 川上工程にも
- ユーティリティ
- 良いコンパウンドをつくるための留意点
- 良いコンパウンドの定義は?
- 合目的な練りこそ目指すべき所
- 目的をしっかり理解しないと、ゴム練りは出来ない
- 少なくとも、次々工程までを考える
- 優れた企業は、最終処分まで考えている
- 精密練り
- ゴム側から見た、練りの環境とヒトの中身
- 資源から廃棄までを熟知することが必要だ
- On the Paper/思考実験は難しい
- 過去の結果の整理が力をつける
- ゴム練りの現場に、もっとゴムの科学を
- ゴムの技術は、まだ暗闇の部分が広がっている
- アドルフヒトラーも解らなかったこと
- 現代も殆ど変わっていない
- おわりに
- S+Sは当然のこと
- 失敗事例には、成功事例以上に会社のノウハウがある
- トラブル事例は、シュートしてはいけない
- トラブルをじっくり味わう度胸が必要