本セミナーでは、皮膚の測定・評価について基礎から解説し、塗布効果試験の結果がバラつきやすい原因を列挙し、対策を具体例を用いて解説いたします。
スキンケア商品の有用性を客観的に評価し、その効果を検証することは消費者の信頼を得るために重要であり、また化粧品会社としての責務でもある。この有用性を評価するためには、皮膚の本来持つ生理学的及び光学的特性を理解した上で計測する必要がある。 その上でそれら皮膚特性に対応した測定方法を用いて皮膚計測をするべきである。皮膚測定する際の主な皮膚の特性について列挙し、その特性を測るための原理を理解した上で、最も適した測定方法について紹介する。次にそれらの皮膚測定方法を用いて有用性評価を行う時の試験デザインの原則及び気をつけておかなければならない点について考察を加える。 近年は商品の差別化を図り、より魅力的な商品と映るよう様々な手法を用いた有用性の提示が頻繁に見受けられる。一方、いくつかの有効性評価ガイドラインが国内外で発表されており、これらガイドラインに準拠した評価の施行が求められていることも事実である。このようなスキンケア商品の有用性を臨床的に評価する場合、色々なバラつきや不確定要素 (Unknown Variables) を考慮して試験計画を立て、施行していかなくてはならない。 もともとヒトを用いた塗布効果試験は後から述べる要因によって結果がバラつきやすい性格のものだからである。ここでは効果的に有用性を実証するために、それらバラつきやすい原因を列挙し、その対策を具体例を用いて示した。今後の有用性試験を計画する上で参考になれば幸いである。