【1日目】高活性物質を取り扱う医薬品製造設備対応のベタープラクティスを探る!
第1部
高活性物質取扱い設備の既存を改造し導入する際の注意点
~エンジニアリングの立場から~
(2013年5月31日 10:30〜13:00)
東洋エンジニアリング (株) 国内事業統括本部 設備システム設計部 島 一己 氏
遊休化している既存設備を改造して封じ込め対応出来るようにしたいというニーズは従来から強くある。この場合、現場的には設置スペースの制約の他、空調設備などで各種の制約がでてくることがある。そのような中で、封じ込め設備を導入する場合の留意点などを、事例を交えて紹介する。合わせて、専用化要件の最近の動きを紹介する。
- 封じ込め対応改造設備のニーズ背景
- 一次封じ込め手段としてのフレキシブルコンテインメント (F/C)
- F/Cの考え方
- F/Cのためのツールの紹介
- 応用展開例
- F/Cの性能
- F/Cを導入する際の経済性評価
- 改造事例の紹介
- 棚段乾燥機
- 釜上仕込み口周り
- 遠心分離機周り
- コニカルドライヤ周り
- 改造する場合のエンジニアリング上の留意点など
- 専用化要件に関するEUの動き ~ Eudralexの改訂
第2部 高活性物質を取り扱う設備導入における課題
~エンジニアとユーザーを結ぶ立場から~
(2013年5月31日 13:40〜15:40)
エーザイ (株) 総務・環境安全部 課長 遠藤 真一 氏
エンジニアとユーザーの持つバックグラウンドには大きな差があり、同じ表現からイメージされるものにも大きな違いとなってしまう。こうした違いが、設備導入の際の細かな打合せにも関わらず、ユーザーにとって使いにくい設備となってしまうことを引き起こすことがある。
この問題を解決するために、両者のイメージを一致させる通訳として、最適解を導き出すための役割を果たしてきた事例を紹介する。
- ユーザー側のバックグラウンド
- 過去からの変化
- 欧米との違い
- エンジニア側のバックグラウンド
- プロジェクトマネージャー
- メーカー、サプライヤー
- 施工者
- 第三の役割の必要性
- 最適解をもとにした設備のメリット
- 最適解を導き出すための課題
- プラント設備
- 実験設備
- 付帯設備
- 課題解決のためのポイント
- プロジェクトの実行に際して
- 第三の役割を果たす準備として
- 次の世代のために
第3部 遠藤氏、島氏によるパネルディスカッション (全体としてのQ&A)
(2013年5月31日 15:55から30分~50分程度)
【2日目】高活性物質を取り扱う医薬品製造・封じ込めに関する3極法規制・指針の要件と各限界値設定
第1部 3極における高活性物質設備での洗浄・封じ込めに関連する法規制・指針
(2013年6月25日 10:30〜12:30)
東洋エンジニアリング (株) 国内事業統括本部 設備システム設計部 島 一己 氏
マルチパーパスプラントで高薬理活性物質を扱う場合の、洗浄および封じ込めに関する3極の法規制、指針、ガイドラインの概要を紹介する。
Eu-GMPの新しい流れに加え、薬塵測定に関する新しいISPEガイドラインの内容についても概説する。
- 医薬品製造工場を取り巻く動向とその背景
- マルチプラントでの洗浄・封じ込めの位置づけ
- 品質を確保するための洗浄と労働安全衛生のための封じ込め
- 異物混入、交差汚染の要因
- GMPと労働安全衛生 (IH) のバランス
- 専用化要件に関する動向
- 従来の専用化要件
- EU-GMPにおける専用化要件の見直しの流れ
- マルチプラントでの洗浄・封じ込めに関して適用される法・規制・ガイドライン
- GMP
- 各種ガイドライン
- 各種関連団体のガイドライン
- 「原薬GMPのガイドライン」の洗浄 / 封じ込めに関する詳細
- EU-GMP改定内容の詳細
- 洗浄バリデーションにおける具体的な洗浄基準の設定
- 従来の洗浄評価基準
- 従来法の持つ不備
- Risk-MaPPを含む洗浄基準の新しい動向
- 薬塵測定におけるガイドラインの改定
- ISPEガイドラインによる薬塵測定
- ガイドライン第2版について
- モニタリング
第2部 高薬理活性医薬品設備における交叉汚染限界値、洗浄バリデーション限界値、作業員の安全性限界値の設定
(2013年6月25日 13:15〜15:00)
医薬品GMP教育支援センター 代表 髙木 肇 氏 [元 塩野義製薬 (株) ]
高生理活性医薬品の製造には、①交叉汚染による患者へのリスク回避、②作業者の直接的曝露防止、③環境経由による市民等へ間接的曝露防止の3つの視点にたった総合的配慮が必要である。
このため、飛散量・混入量ゼロを目指したハード・ソフト対策を講ずるが、現実問題として極微量の飛散混入・吸引リスクは避けられない。この許容基準値の考え方を分かり易く解説する。
- 高薬理活性薬を取扱う場合の留意点
- GMPの要請
- 高薬理活性薬とは
- 飛散し得ない、交叉汚染し得ない状態とは
- 薬物の毒性だけでは判断できない
- 患者と作業者への配慮
- ISPE Baseline Guide Risk-MaPPの考え方
- 産業衛生 (IH: Industrial Hygiene) 業務でGMPを補完
- 患者への健康リスクとADI (Acceptable Daily Intake)
- 作業員への健康リスク回避
- 職業曝露限界値 (OEL) の算出法
- 職業暴露バンド (例)
- 定性的および定量的曝露評価
- 定量的評価の留意点
- 交叉汚染リスクへの対応
- 気流による対策
- 室間差圧による対応
- 床掃除の仕方
- 洗浄に関するPIC/Sの要請
- 洗浄バリデーション関連業務
- 洗浄対象物質への留意点
- 設備洗浄後の残留許容値
- PIC/Sの洗浄に関する勧告
- 一日最小投与量の0.1%以下基準
- 10ppm以下基準
- 目視限度基準
第3部 化学物質の暴露防止・閾値設定の基本と、運用方針が及ぼす影響
(2013年6月25日 15:15〜17:00)
中外製薬 (株) CSR推進部 環境・安全グループ グループマネジャー 加藤 伸明 氏
化学物質の暴露防止に向けた管理手法、閾値設定や化合物の分類を概説し、管理方針が暴露防止対策、閾値設定および化合物の分類、ならびに定量的暴露評価に及ぼす影響を、事例を含め紹介する。
- 管理対象
- 暴露防止の管理手法
- ハザード管理
- 定性的管理
- リスク管理 (定量的管理)
- 職業暴露限界値 (OEL) の設定と化合物の分類
- 事例紹介
- 運用上の留意点