(2013年6月21日 10:30〜12:30)
京都大学 大学院農学研究科 森林科学専攻 生物材料機能学講座
教授 工学博士 西尾 嘉之 氏
近年、バイオマス利用の新しい成長ルートの開拓が強く望まれている。材料創製の諸分野においても然りである。 本セミナーでは、バイオマス系天然高分子の代表格であるセルロース及び関連多糖類を主対象に、それらの基本的な構造特性と、高機能化用ポリマー素材 (材料ベース) としてモダンな応用展開を図るための方法論について解説する。繊維・フィルム等のコモディティーな次元材料と、光・電磁界に応答するスペシャリティーの先進材料の両者について、具体的な設計事例も示したい。
(2013年6月21日 13:15〜14:15)
日本製紙 (株) 河崎 雅行 氏
バイオマス資源を用いた燃料や素材開発が世界的にも進められ、とくに非可食であるセルロースを利用した開発が注目されている。 その一つとして木材から得られるセルロースナノファイバー (CNF) があるが、これはセルロース分子の伸びきり鎖結晶構造を有し、 高強度、熱安定性などの優れた特徴を持っている。CNF開発においてはその特徴を活かした用途開発が重要であり、用途に適したCNF製法および改質技術がポイントとなっている。 本講演ではCNFの製造法およびその特徴および現在考えられている用途開発ついて解説する。
(2013年6月21日 14:30〜16:00)
京都市産業技術研究所 材料技術グループ 有機系材料チーム 仙波 健 氏
セルロースは地球上に最も豊富に存在するサステイナブル資源であり,それを解きほぐしたセルロースナノファイバーは優れた特性を有し,今最も注目されている素材の一つである。 本セミナーでは,ガラス繊維や炭素繊維に代わる樹脂強化材としてセルロースナノファイバーを用い,幾つかの樹脂に対する高強度,軽量化に関する取り組みを紹介する。