セルロース/セルロースナノファイバーの高度利用技術

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プログラム

第1部 セルロース及び関連多糖類の基礎化学と機能材料設計法

(2013年6月21日 10:30〜12:30)

京都大学 大学院農学研究科 森林科学専攻 生物材料機能学講座
教授 工学博士 西尾 嘉之 氏

 近年、バイオマス利用の新しい成長ルートの開拓が強く望まれている。材料創製の諸分野においても然りである。  本セミナーでは、バイオマス系天然高分子の代表格であるセルロース及び関連多糖類を主対象に、それらの基本的な構造特性と、高機能化用ポリマー素材 (材料ベース) としてモダンな応用展開を図るための方法論について解説する。繊維・フィルム等のコモディティーな次元材料と、光・電磁界に応答するスペシャリティーの先進材料の両者について、具体的な設計事例も示したい。

  1. 主要多糖の分類と特徴
    • 主要多糖の産出由来
    • 量的分布
    • 化学構造上の特徴
    • バイオマス利用のレトロスペクト
  2. セルロースの構造と特性
    • 木質組成と成分
    • 階層的な構造と特性
    • 繊維・フィブリル・結晶構造
    • 分子特性とアセンブリー特性
  3. セルロースの反応と改質
    • 溶剤と溶解性
    • 置換反応
    • 酸化還元反応
    • グラフト反応
    • 置換度パラメーター
  4. 新規機能材料設計法 ~その1 コモディティーの次元材料 ~
    • 溶融法による新規繊維の設計
    • 多機能ブレンドフィルムの設計
  5. 新規機能材料設計法 ~その2 スペシャリティーの先進材料 ~
    • 液晶機能材料 (分子性液晶とナノクリスタル液晶)
    • 磁性機能材料 (等方性超常磁性体と動的異方性材料)

第2部 セルロースナノファイバーの製造開発と用途開発の動向

(2013年6月21日 13:15〜14:15)

日本製紙 (株) 河崎 雅行 氏

 バイオマス資源を用いた燃料や素材開発が世界的にも進められ、とくに非可食であるセルロースを利用した開発が注目されている。  その一つとして木材から得られるセルロースナノファイバー (CNF) があるが、これはセルロース分子の伸びきり鎖結晶構造を有し、 高強度、熱安定性などの優れた特徴を持っている。CNF開発においてはその特徴を活かした用途開発が重要であり、用途に適したCNF製法および改質技術がポイントとなっている。  本講演ではCNFの製造法およびその特徴および現在考えられている用途開発ついて解説する。

  1. はじめに
    1. 従来のセルロース材料の市場
    2. バイオリファイナリー、セルロースナノファイバー (CNF) とは
    3. CNF開発の背景、目的
  2. CNFの製造法について
    1. 機械的解繊方法、化学処理方法
    2. 各製法によって得られるCNFの特徴
  3. CNF開発の国内外の動向
    1. 国内外の開発動向
    2. 製紙メーカーのポテンシャル
    3. 品質評価、安全性に関する規格化の動き
  4. 用途開発について
    1. 考えられる用途開発
    2. 具体的な開発例
      • 樹脂補強材
      • バリア材
      • 増粘剤など

第3部 セルロースナノファイバー強化樹脂複合材料の特性と利用

(2013年6月21日 14:30〜16:00)

京都市産業技術研究所 材料技術グループ 有機系材料チーム 仙波 健 氏

 セルロースは地球上に最も豊富に存在するサステイナブル資源であり,それを解きほぐしたセルロースナノファイバーは優れた特性を有し,今最も注目されている素材の一つである。  本セミナーでは,ガラス繊維や炭素繊維に代わる樹脂強化材としてセルロースナノファイバーを用い,幾つかの樹脂に対する高強度,軽量化に関する取り組みを紹介する。

  1. セルロースナノファイバーについて
    • 特性・性状
    • 開発の現状
    • これまでの取り組み
  2. ポリエチレンとの複合化
    • 溶融混練押出
    • 力学的特性
    • 発泡成形
    • 高次構造観察
  3. ポリアミドとの複合化
    1. CNF/ポリアミド12の特性
      • カチオン化処理
      • 溶融混練押出
      • 力学的特性
      • 分散状態
    2. CNF/ポリアミド11の特性
      • カチオン化処理
      • 溶融混練押出
      • 力学的特性
      • 分散状態
  4. ポリアセタールとの複合化
    • 力学的特性
    • 摺動性
    • 分散状態
  5. その他複合化手法について

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