本格的な実用化を迎えつつあるプリンテッドエレクトロニクスは現在、大きな注目を浴びております。種々の印刷技術が検討されていますが、中でもスクリーン印刷は他に比べ、装置が安価、積層印刷に向くなどといった優位点を持ち、また近年、技術進展が著しいことから、プリンテッドエレクトロニクスを担う中核技術として期待されています。 そうした状況を踏まえ、本セミナーでは、スクリーン印刷の原理から関連材料の開発動向や製品開発への応用例まで、3名の講師がそれぞれの立場から徹底解説。プリンテッドエレクトロニクスにおけるスクリーン印刷技術の役割や現況の技術レベル、今後の見通しなどを考察します。
(2013年6月7日 11:00〜12:30)
ニューロング精密工業 (株) 開発部 技師 浅野 靖文 氏
スクリーン印刷法は孔版印刷の一種である。スクリーン印刷法は、多種のインクに対応する事が可能であり、特に高粘度インクに対応出来る事が特徴だ。また、スクリーン印刷法は比較的簡易的な装置で高精度なパターン形成可能な手法でもある。 ここでは、スクリーン印刷法のメカニズムに付いて解説し、プリンタブルエレクトロニクスにスクリーン印刷法を応用した場合の優位性に付いて説明する。
(2013年6月7日 13:30〜14:40)
(地独) 大阪市立工業研究所 有機材料研究部ナノマテリアル研究室 研究員 山本 真理 氏
プリンテッド・エレクトロニクスのためのナノ粒子ペーストとスクリーン印刷による配線・電極形成技術について、私らが開発したナノ粒子ペーストを中心に紹介する。
本セミナーでは、ナノ粒子製造法やスクリーン印刷用ナノ粒子ペーストの作製法や求められる特性について解説し、スクリーン印刷による配線の微細化がどこまで進んでいるかの実例を挙げる。
また、配線の線幅/線間隔の微細化により、電子機器の故障の原因となるイオンマイグレーションが起こりやすくなり、その防止が課題となっている。そこで、イオンマイグレーションの原理、防止方法について説明し、合金化によるマイグレーション防止例として、銀‐パラジウム合金ナノ粒子ペースト、銀‐銅複合ナノ粒子ペーストおよび銅ナノ粒子ペーストについて述べる。
最後に、スズドープ酸化インジウム (Indium Tin Oxide (ITO) ) ナノ粒子ペーストに
よる透明導電膜形成について述べる。
(2013年6月7日 14:50〜16:20)
(独)産業技術総合研究所 フレキシブルエレクトロニクス研究センター
印刷エレクトロニクスデバイスチーム 主任研究員 植村 聖 氏
スクリーン印刷は数ある印刷技術の中でデバイスの製造に実際に適応されている数少ない印刷法である。近年の印刷技術の進歩により、国内外多くの企業や研究所、大学で様々なスクリーン印刷を用いたデバイスの開発が行われている。 本講演ではスクリーン印刷用いたデバイス開発の現状と今後の見通しについて、最近の技術動向と産総研での開発事例を中心に紹介する。