今、この時代の放送局にとって放送サービスを進化、発展させるためいかにICTを活用するかは重要課題である。番組制作、報道取材のコンテンツ部門はもとより、編成・営業・放送運行など放送局を支える基幹システムにおいても放送新時代を切り開くための進化、イノベーションを打ち出していきたい。 その思いの中で、またICTの大きなトレンドとしてクラウド化を選択する企業が急増する中で、FNSが取り組んできた放送業界初のクラウドコンピューティングによる「FNS情報システムセンター」が12年10月に運用を開始した。まずは系列間の情報連携基盤である「ネットコム」、メール・グループウエアのサービス提供を開始し、そして13年3月には目玉である「クラウド型FNS標準営放システムV2」が稼動。系列各社の切替えが始まった。 FNSにおいてはこの長大なプロジェクトをいかにして運んできたのか、そしてここからいかなる成果を得ようとしているのか。その経緯と狙いを紹介の後、センターの具体的な中味、特に放送の基幹業務システムを運営する上での様々な留意事項とその対応を説明する。 さらに本センターの今後のサービス展開と構築・運営会社である (株) フィンズのビジネスビジョンを説明する。最後に、稼動中現場からのホットな話題もピックアップしたい。