近年、医療従事者と患者・家族との間のコミュニケーションのサポートや患者・家族が医療機関に対して抱いた疑問や不満への対応が強く求められており、患者サポート充実加算が、2012年4月1日から始まっている。そこで、医療従事者と患者・家族の間を適切にサポートできる医療対話推進者の養成に向け、業務の指針とその養成指針が纏められた。 この報告書については、厚生労働省から、2013年1月10日、医政局総務課長名で、「このプログラムに基づいて本指針が幅広く利用されることによって、対話の推進が図られますように周知方をお願いいたします」と都道府県に送付され (医政総発0110第2号) 、同年3月21日に保険局医療課から、疑義解釈資料の送付について (その12) として、問2「患者サポート体制充実加算」に関して・・・「研修」については、どのようなものが該当するのか」について「「医療対話推進者の業務指針及び養成のための研修プログラムの作成指針」の内容を満たすものである」とされた。 今後は、この報告書・指針をもとに、現場での周知が図られ、医療対話推進者の認知度が高まり、その業務が円滑に行われること、更にそれらの研修が適切に実施されることが期待される。今後、医療安全と質向上は、「医療安全推進者」と「医療対話推進者」を二つの柱として行われることとなる。 本講では、本指針の取り纏めに尽力された、厚生労働科学特別研究班 研究代表者 中京大学法科大学院教授 稲葉 一人 氏をお迎えし、両指針の詳細と今後の運用についてご解説いただく。