静電気トラブルは製品の製造工程、或いは製品を使用する取扱いの中で帯電量が大きくなり問題を起こします。昨今のような競合他社との総合品質が問われる時代には絶対に遅れをとってはいけない製品の基本特性のひとつです。
静電気の問題は机上の話、理論では中々解決できません。其処には連続体の力学の問題、電磁気の問題、化学結合の問題など物理化学の減少が複雑に絡み合い見かけ以上に面倒です。静電気問題に有効な対策を打つには、現実に起きている現象をそのまま再現し、又は言い換えるとシミュレートするのが肝要です。
今回、サイエンス&テクノロジー社主催の静電気実験セミナーを日本で初めて行う。前半を静電気基礎の話、そして後半を上記の考えに基づいた、即ち現実に起きている現象を再現しながらそれの対策を考える。
また、今回のセミナーでは静電気なんでも相談室を企画しました。日頃から疑問に思っていることを遠慮せずに相談してほしい。あまり聞かせたくない人は正規の講演が終わったあと相談を受けます。
1. 発生した静電気トラブルに対し、有効な対策を打てる静電気基礎を理解する
- 表面電位計による帯電量の評価をできるだけ単純で精度の良いものにする。
- 最近の市場ではデジタル電位系が花盛りであるが、これ全ての場合に有効か。
昔のアナログ式の電位計は多くの場合有効に使われる。但し、半導体基板などの見かけ上低い電位の場合にはデジタル式は極めて有効である。従って要求される測定精度に応じて考慮されるべきである。
多くの場合に於いて電位計は測定切り替え式になっておれば最高のようにおもわれる。この辺の事情を説明する。
- 静電気の帯量に大きな影響を与える因子には何があるか
- 接触圧力
- 接触する物どうしの粘弾性的な性質
- 帯電列
- 分子間力
- 誘電率の大小 (cohenの法則)
- ハメット則
- 表面形状
- 環境条件
- 静電気による塗布ムラ
- 太陽電池製造に於ける支持体フィルムに於ける高帯電 (40kv)
- 帯電符号と塗布ムラの関係
- 殆どの場合、帯電が負帯電の場合に塗布ムラが多い。
その発生メカニズムについて放電の観点から解説
- 静電気の漏洩
- BC面の抵抗が低い方が塗布ムラが起きやすい。その理由は?
- 静電気による塗布ムラは漏洩性だけで決まる。
- 表面抵抗率のJIS規格は適切か
- R-Vダイヤグラムを応用した静電気故障フリーの品質目標の求め方
- 営業の人と技術者が最も膝をつめて相談が必要なところ。
- 除電器の使用上の注意
- これは除電器メーカーの人に殆どが言いなりになっているのが現状。
真に正しいのと、首を傾げたくなるものがある。
2. 静電気実験講座
よろしければ是非試料をお持ちくださいませ。※試料はお返しします
- 静電気実験で一番重要なもの
- ①電荷量0Cの状態を作る。
- イ) PETベースを除電器で除電する
- ロ) BC面が導電性であるとき、本当にイ) の操作で除電出来るかを検証
- 参考:空気中での最大帯電密度は3×10-5C/m2でこの値が30kv/cmの電界強度になることに注意。
- ※ここで得る重要事項 : 電位0Vと電荷量0とは全く異なることに注意
- デジタル型の電位計とアナログ型の電位計のメリット、デメリット
- ※ここで得る重要事項
- 300V以下の電位を測定する場合は
- 500V以上の電位を測定する場合は
- デジタルはどんな場合に良いか (感度で考えよう) デジタル型は感度が高い
- 半導体の帯電見る場合はどっち
- 太陽電池用支持体ベースはどっち
- 電荷量測定に於ける a) 電位計測定とb) ファラデーケージ測定の相違
- 測定再現性のよいのは
- 精度再現性のよいのは
- 測定の容易性
- 人間は静電気的に導体だ。血液が身体を巡っているのは
- パック面に1011Ω/□以下の導電層がある時、帯電防止は表面まで効いてくる。
- 帯電防止性は片面だけで良いのだろうか。これを実験で確認する。
- 人体帯電の測定方法はどうすればよいか
- フィルムの抵抗 (表面抵抗、体積抵抗) と発電性を1片のフィルムで測定することは可能か
- 工程の電位測定 (手が届かない場所での電位測定) に塩ビパイプの利用
- 帯電測定用ローラーが汚染した時、その汚染を如何に取り除くか
- 各種帯電
- イ) 帯電列
- ロ) 剥離速度
- ニ) 圧力
- ホ) 表面凹凸
- 抵抗測定に於ける電極の弾性率差
- その他静電気の実験、静電気問題の依頼解析で絶対注意しなければならないこと
- ①多少技術に自信を持っている人の話は絶対安易に相談にのらない
- キチンとどういう実験をしたか
- どういう条件でしたか
- 誰がしたのか
- サンプルの素性と測定までの保存
- ②静電気実験には最低用意する道具とは
なんでも相談会