日時
- 2013年5月21日 10時00分〜 2013年5月21日 16時30分
プログラム
自動車のエネルギー回生利用については廃熱の回生電力利用を筆頭に、近年ますます高い関心が寄せられています。HVを含めたエンジン使用車において今後も技術向上に期待がかかる分野として、この度は熱・振動・減速エネルギーの回生に着目し、自動車のエネルギー回生技術の最先端に触れられるセミナーとして開催いたします。
第1部 自動車の燃費向上技術の概要と回生制動・エネルギ回収
(2013年5月21日 10:00〜11:20)
(独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 客員研究員 清水 健一 氏
自動車の燃費向上は,エンジンの効率改善,動力伝達系のロスの低減などのパワートレインの効率改善に加えて,ブレーキで消費している運動エネルギ・位置エネルギの回生,ロスとして発生する廃熱からのエネルギ回収など様々な方法で達成されている. 本講では燃費向上手法の概要について述べ,EVやHEVなどの電動車両で効果の高い回生制動の変遷と現状,課題について述べる.あわせて、ガソリン車での回生制動の概要と廃エネルギの回収技術の概要についても紹介する。
- 自動車の燃費向上技術の概要
- 自動車のロスの寄与度と改善手法の概要
- 動力源の高効率化手法の概要 (EV化,HEV化/エンジン車での定石)
- 駆動系以降のロスの低減手法の概要
- ロスの回生 (回収/再利用) 手法の概要
- EV,HEVの回生制動の目的と効果
- 回生制動技術の変遷
- パワートレインの形式と回生制動の効果
- 回生システムの考え方と課題
- 要素部品と回生効果
- 回生・摩擦制動協調制御の現状
- 汎用ブレーキシステムの必須機能
- 油圧サーボブレーキシステム
- 電動サーボブレーキシステム
- ブレーキ・バイ・ワイヤシステム
- エンジン車の回生制動
- 2ステージオルタネータと回生制動の原理
- システムの効率を左右する要素
- 省燃費化の要求とシステムのトレンド
- 廃エネルギ回収技術の概要
- 質疑応答・名刺交換
第2部 熱音響機関による排熱回生技術
(2013年5月21日 11:30〜12:50)
東海大学 工学部動力機械工学科 助教 長谷川 真也 氏
工場、自動車、工業機械などが使用しているエネルギの内,65%以上は排熱として未利用のまま捨てられている.これらの捨てている熱を「熱音響機関」を用いて回収し,電気や冷却・加熱に再利用するために研究を行っている.熱音響機関はこれまでのエンジンには無い,以下の特徴を有する.
- ピストン等の可動部品が無く,半永久的にメンテナンスフリー
- 産業排熱,自動車排熱,太陽光エネルギ等多様な熱源を利用した高効率な冷却・発電システムを実現可能
- 本質的に高いエネルギ変換効率 (30%以上) を有している
- 音波を用いた可動部を全く持たない新しいノンフロン冷凍を実現可能
本講演では,熱音響機関の概要並びに,本研究グループの最新の研究成果を紹介する.
- 背景
- 熱音響機関とは
- 熱音響機関の特徴
- 熱音響機関の原理
- 熱音響冷凍機の原理
- 熱音響機関の応用事例
- 自動車に対する適用例
- 他技術との比較
- 最新の研究動向
- 熱音響機関の問題点
- 研究成果
- 数値計算手法
- 数値計算と実験結果の比較
- 熱音響機関の最適化
- 実験結果
- まとめ
- 今後の展望
- 質疑応答・名刺交換
第3部 自動車における振動エネルギーの効率的回生・利用技術
(2013年5月21日 13:40〜15:00)
群馬大学 大学院 工学研究科 電気電子工学専攻 准教授 橋本 誠司 氏
20世紀後半より,化石燃料の排出する温室効果ガスにより地球温暖化問題が顕在化してきている。この地球温暖化防止策として,使用エネルギーの削減技術やエネルギーハーベスティングに基づく新しいエネルギー利用技術が注目され,低炭素化社会,スマート社会の実現が望まれている。また,最近では電子機器の低消費電力化に伴い,汎用的な振動発電技術が開発されつつあり,今後,構造物や医療におけるヘルスモニタリングやワイヤレスセンサネットワーク,スマートビルディングなどへの導入が期待されている。 ここでは,自動車振動に着目し,その振動を効率的に回生し低消費電力機器などにバッテリーレスで電力供給可能な,セルフパワードシステムを構築するための圧電デバイスを用いた振動発電技術について紹介する。
- 自動車振動と振動発電
- 低炭素化社会への貢献
- 自動車振動
- 振動発電における課題
- 開発目標
- 走行試験と振動解析
- 発電デバイスの設置箇所とターゲット周波数
- 走行試験結果
- 振動解析~計測軸/路面/車両/乗車人数/速度などの比較~
- 自動車振動の特徴と効率的発電
- 振動発電に適合する圧電デバイス
- 圧電デバイスの基礎特性
- 圧電デバイスのインピーダンス整合
- 圧電デバイスの発電効率
- 多軸・多モード振動回生可能な振動発電装置
- 多軸・多モード振動発電構造
- 周波数同定実験とその解析結果
- 自動車振動加振とその応用事例
- 今後の展望
- 質疑応答・名刺交換
第4部 マツダのi-ELOOPシステム&エネルギー回生ストレージの戦略について
(2013年5月21日 15:10〜16:30)
マツダ (株) 車両システム開発部 主幹 高橋 正好 氏
マツダ (株) PT開発本部 久米 章友 氏
マツダは,技術開発の長期ビジョンであるサステイナブル“Zoom-Zoom”宣言に基づき, グローバルでの大幅な燃費改善を進めている。 これは、多数の車に、「走る歓び」と「優れた環境安全性能」を搭載することで効果的にCO2の総排出量を削減するアプローチである。 その実現のために、クルマの基本性能であるパワートレインの効率改善や車両の軽量化などのベース技術を徹底的に改善し、段階的に減速エネルギー回生システムなどの電気デバイスを導入する「ビルディングブロック戦略」を採用した。 そのSTEP2として、クルマの減速時に発生するエネルギーを電気として回収し,クルマが必要とする電気エネルギーとして再利用する減速エネルギー回生システム「“i-ELOOP”」 (intelligent energy loop) を開発した。このシステムは、多くの減速エネルギーを回収するために、最大5kWの発電機、その発電エネルギーを充電するための最大電圧25VのEDLCと12Vデバイス用の降圧DCDCコンバーターで構成される。 このi-ELOOPを、まずはNewマツダ6に搭載した。そして、他の車種にも展開していく。また、継続的に機能を進化させ、より好燃費でリーズナブルなシステムを実現する。そのシステムとエネルギー回生ストレージの戦略についてお話する。
- i-ELOOPの説明
- SKYACTIV TECHNOLOGY + 環境ビルディングブロック戦略
- マツダ減速エネルギー回生キャパシタシステム“i-ELOOP” について
- “i-ELOOP” システム概要
- 構成部品とレイアウト
- i-ELOOPによる燃費改善について
- 将来のi-ELOOP
- 減速回生技術の動向
- エネルギー回生ストレージの考え方
- i-ELOOPの進化について
- まとめ
- 質疑応答・名刺交換
会場
受講料
- 1名様: 47,429円(税別) / 52,171円(税込)
- 複数名: 40,429円(税別) / 44,471円(税込)