熱膨張機構の基礎と測定・制御技術

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本セミナーでは、熱膨張・熱収縮挙動の基礎から計測・評価まで、制御技術の実例を踏まえて詳解いたします。

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開催予定

プログラム

第1講 熱膨張の基礎と高分子・複合材料の熱膨張測定・制御技術

(2013年5月28日 12:30~14:15)

東京工業大学大学院 理工学研究科 物質科学専攻 (有機材料工学科) 教授 扇澤 敏明 氏

 熱膨張挙動は物質の最も基本的な物性の1つであり,密度に関連する全ての物性に影響を及ぼす。  特に,どのような材料においてもさまざまな温度環境下での使用に際し、材料の熱膨張係数の低減が大きな課題であることから,熱膨張機構を踏まえた上で材料への応用展開を図る必要がある。  それゆえ、なぜ熱膨張するのかといった熱膨張機構の基礎から種々の材料、特に高分子およびその複合材料における熱膨張挙動の特徴について概説する。そして、低熱膨張材料を設計する場合の指針となることを趣旨とする。

  1. 熱膨張の基礎
    1. 熱膨張の原理 ~物質はどのように熱膨張するのか~
    2. 高分子の熱膨張 ~高分子は他の物質と同じ原理で膨張するのか~
    3. 自由体積とは? ~定義,測定法と熱膨張とのかかわり~
    4. 高分子の熱膨張機構 ~熱膨張機構を基にした抑制原理~
  2. 熱膨張測定の基礎
    1. 線膨張係数 ~定義と測定法~
    2. 体膨張係数 ~PVT挙動~
  3. 種々の材料の熱膨張挙動と熱膨張係数
    1. 各種高分子 ~膨張係数の特徴~
    2. 繊維 ~負の熱膨張係数~
    3. 高分子系複合材料 ~複合則と複合例~
  4. 材料の低線膨張化
    1. プレス延伸法 ~汎用樹脂及び透明樹脂の低線膨張化~
    2. 成形加工とPVT挙動 ~成形加工プロセスとのかかわり~

第2講 熱収縮性酸化物の合成および材料の熱膨張制御への応用

(2013年5月28日 14:30~16:30)

日本大学 文理学部 物理生命システム科学科 教授 橋本 拓也 氏

 本講演ではまず熱膨張係数が材料・デバイスの作製や特性にどのような影響を与えるかを紹介する。さらに結晶構造相転移が熱膨張に与える影響、実際の熱膨張測定方法と測定にあたっての注意事項も講演する。  具体的なトピックスとしては負の熱膨張を持つ物質の紹介、これと正の熱膨張を持つ物質との複合化による熱膨張制御の可能性、相転移を制御したゼロ熱膨張材料の作製の試みも紹介する。

  1. 熱膨張のデバイス特性に与える影響
    1. 薄膜の合成にあたっての注意点
    2. 光学部品への影響
  2. 熱膨張挙動の測定方法
    1. X線回折・中性子回折測定による熱膨張挙動の評価
    2. 熱膨張計を用いた熱膨張挙動の評価
    3. 測定にあたっての注意点
    4. 評価手法による熱膨張挙動の違い
  3. 熱膨張測定の実際
    1. 相転移の熱膨張挙動に与える影響
      1. 一次結晶構造相転移と熱膨張挙動
      2. 二次結晶構造相転移と熱膨張挙動
      3. 磁気相転移と熱膨張挙動
    2. 格子の膨張と化学的膨張―酸素不定比性による還元膨張
  4. 負の熱膨張材料
    1. 負の熱膨張材料、ZrW2O8の合成
    2. ZrW2O8の熱収縮挙動の実際。相転移と熱膨張
    3. Al2 (WO4) 3系材料の熱膨張特性。相転移制御によるゼロ膨張制御
  5. 熱膨張特性の制御方法
    1. 複合化によるゼロ膨張材料の作製
    2. カチオン部分置換による構造相転移・熱膨張挙動の制御
    3. カチオン部分置換による還元膨張の制御

会場

江東区産業会館
135-0016 東京都 江東区 東陽4丁目5-18
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