ポリベンゾオキサジンは環状モノマーの開環重合で得られる新しいタイプのフェノール樹脂として注目されている。 従来のフェノール樹脂の特性に加え、ポリベンゾオキサジンはそのユニークな分子構造に起因し、優れた寸法安定性、低吸水性、低表面自由エネルギーなど多くの特徴を有する。 また、多様な原料が入手できるため、分子設計の自由度が高い。同様に、ポリマーアロイ、共重合、有機―無機ハイブリッドなど、ポリベンゾオキサジンの変性の方法も多様であり、ガラス転移温度は容易に300℃を超え、強靭で柔軟なフィルムも作製できる。 本講座では、ポリベンゾオキサジンの基礎から多様な分子設計・材料設計を紹介し、ポリベンゾオキサジンの豊かな可能性と残された課題について述べる。