我が国のGMPにおけるコンピュータ化システムは、下記ガイドラインに従い開発・検証・運用されているところである。
- 厚生労働省 コンピュータ化システム適正管理ガイドライン
- 厚生労働省 ER/ES指針
本講座では、ラボにおけるデータ完全性確保を目指したCSV実践方法を、下記項目を含んで説明する。また、添付する豊富な解説文書により、後日の復習が可能である。
- ラボ機器・電子記録の真正性確保
- 紙生データ機器からの電子記録取り出しとデータ加工
- 紙生データ機器の電子記録取扱い
- HPLCのカテゴリ分類 (HPLCメーカによりカテゴリ分類が異なる)
- HPLCの紙生データに対するFDA指摘
- 監査証跡の定期レビュー要求とFDA指摘
- スプレッドシートのバリデーション方法
- 既存機器/システムのバリデーション
- カテゴリ3/4の分類基準と分類事例、およびそのバリデーションアプローチ
- カテゴリ3におけるFSとDSの取扱い
- 構成設定、環境設定、運転条件の設定
- システム台帳に登録すべき機器/システムの範囲と登録方法
- DQおよびリスクアセスメントの実施方法
- 自己点検の項目
- USP<1058>「分析機器の適格性評価」の改訂動向
CSVの対象は多様であるため、対応例を丸暗記するだけでは不十分である。現実的かつ合理的 (コストエフェクティブ) にシステム信頼性を確保できる「応用力」と「判断力」を、本講座において身につけていただく。
なお、ERES/CSVに馴染みのなかった方にも理解していただけるよう、ERES/CSVの基礎から説明する。FDAのコンピュータ指摘100件などを事例として紹介し、CSVの実践ポイントを『バリデーション計画書/報告書の実例』を参照しながら具体的に説明する。
ER/ES:Electronic Records, Electronic Signatures (電子記録、電子署名)
CSV:Computerized System Validation (コンピュータ化システムバリデーション)
第一部:これだけは知って頂きたいERES/CSVの基礎知識
- 電子記録・電子署名の要件
- 厚生労働省ER/ES指針
- Part 11
- Annex11
- CSVの基礎
- IQ/OQ/PQの要件と実施方法
- DQとリスクアセスメント
- URS、FS、DSなどの仕様書に記載すべきこと
- バリデーション計画書/報告書などのCSVドキュメントに記載すべきこと
- トレーサビリティマトリクスの活用
- GAMP5のポイント
- USP<1058>「分析機器の適格性評価」の現状と動向
第二部:コンピュータ化システム適正管理ガイドライン
- ガイドラインの基礎
- ガイドライン対応
- 質疑応答集 (Q&A) のポイント
- パブリックコメント当局回答のポイント
- 構成設定とカテゴリ分類基準
- カテゴリ3/4のバリデーションアプローチ
- GAMP4/5ベースのCSVへの対応方法
- 既存システムの対応方法
- GMP適合性調査の実施方法
- 治験薬GMP査察におけるガイドライン適用状況
- システム台帳の作成方法
- 自己点検の項目
第三部:事例研究
- ラボ機器の合理的CSV事例
- HPLCの紙生データ:FDA指摘
- 監査証跡のレビュー:FDA指摘とAnnex 11要件
- スプレッドシート (表計算シート) のバリデーション
- PLCのバリデーション
- Annex11に対するEMAのQ&A
- FDAコンピュータ指摘100件の紹介
第四部:CSV文書の実例による学習内容の確認
- バリデーション計画書の実例紹介 (LIMS更新、カテゴリ混在)
- バリデーション報告書の実例紹介 (LIMS更新、カテゴリ混在)
- 初期リスクアセスメントと詳細リスクアセスメントの実例紹介
質疑応答
- 本ガイドラインやCSV/ERESに関し、日常の業務において困っていることや疑問などにお答えする。
添付する解説文書
- 適正管理ガイドライン コメント挿入版 (44ページ)
- カテゴリ分類とバリデーションアプローチ (24ページ)
- スプレッドシートの管理とバリデーション (14ページ)
- FDAのコンピュータ指摘107件 (66スライド)
- FDA Part 11邦訳 (17ページ)
- FDA ガイダンス Scope and Application 邦訳 (24ページ)
- Annex 11 邦訳 (8ページ)
- Annex 11 に対するEMAのQ&A 邦訳 (8ページ)
- PIC/S査察官向けガイダンス PI 011-3 抜粋意訳 (31ページ)
- 厚生労働省令第44号の解説・GMP編 (20ページ)