PIC/S GMPは2011年に米国FDAがPIC/Sの加盟承認を受けたことにより、世界のグローバルスタンダードになりつつある。日本当局PMDAはPIC/S GMPをガイドラインの位置づけと表明しているが、PIC/S加盟国の当局及び製薬企業からGMP査察を受ける際には、既に発出されているガイドラインより強い拘束力があると考えた方が妥当である。特に日本の近隣国 (台湾、韓国等) からは厳しい査察を受ける可能性が大である。
本講座ではPIC/S GMPの解釈、PIC/S加盟国の行政当局及び製薬企業からGMP査察及び監査受ける際に想定される指摘事項とその対応策について、PMDAで海外製造所のGMP調査 (査察) を行った経験 (事例) を基に解説する。またPMDAからの最新情報も説明する。
- 強調したい点
- PIC/Sの概要
- 規制要件とガイドライン
- 加盟国若しくは加盟申請中の外国当局の状況
- PIC/S GMPガイドラインの要点
- Part1の要旨
- 品質マネジメント
- 人員
- 建物及び設備
- 文章化
- 製造
- 品質管理
- 委託製造及び分析
- 苦情及び製品回収
- 自己点検
- Part2 (ICHQ7/Annex18) の要旨
:原薬GMPガイドライン
- Annex1 (無菌医薬品の製造) の要旨
- Annex8 (原料及び包材のサンプリング) の要旨
- Annex13 (治験薬の製造) の要旨
- Annex15 (適格性評価及びバリデーション) の要旨
- Annex17 (パラメトリックリリース) の要旨
- Annex19 (参考品及び保存サンプル) の要旨
- Annex20 (ICH Q9/品質リスクマネジメント) の要旨
- サイトマスターファイル (SMF) 作成上の留意点
- PMDAでのサイトマスターファイルの扱い
- サイトマスターファイルの内容
- サイトマスターファイルの記載例
- PIC/S GMP (Part、Annex) の特長 (まとめ)
- PIC/S査察のハード面・ソフト面の流れと留意事項
- PIC/S査察時に予想される指摘・指導事項及び対応・準備
- 管理監督 (品質マネジメント) の査察対応
- 工場の構造と設備に関する査察対応
- 倉庫・サンプリング室・保管室・不合格品置き場の管理に関する対応
- 製造作業関連 (製造支援システム等含む) の査察対応
- 品質管理関連 (試験検査室管理) の査察対応
- ドキュメンテーション作成・管理の査察対応
- 変更・逸脱管理に関する査察対応
- PIC/S査察時で重点的にチェックされる管理項目とその対応策
- 企業 (製造業者) の今後 (査察前後) の対応と留意点
- 今後に向けたPMDAと都道府県当局のGMPへの取り組み