CFRPのさらなる特性向上を検討する上で、炭素繊維と樹脂の接着性、なじみ、含浸性向上は重要なポイント!
そのための、炭素繊維の表面処理・改質技術や、熱可塑性CFRPの含浸性改善手法の研究開発事例を解説します。
(2013年4月23日 11:00〜12:20)
炭素繊維は比強度および比剛性に優れ、繊維強化プラスチック (FRP:fiber reinforced plastics) 等の強化材として幅広く用いられており、このような複合材料は航空宇宙産業をはじめとして様々な産業分野で用いられてきている。炭素繊維は様々な前駆体から形成され、ポリアクリロニトリル (PAN) 系とピッチ系からなる炭素繊維が主要なものとして市販されている。個々の炭素繊維の物理的および機械的特性は前駆体や熱処理過程により変化に富んでいる。PAN系炭素繊維は一般的に高強度であり、ピッチ系炭素繊維は高剛性、高熱および電気伝導性である。このような炭素繊維の形状、構造および機械的特性に注目し、多くの研究がなされてきた。特に機械的特性に関しては1970年代より高強度/高剛性化が急速に進み、1990年代で強度 (6 GPa) /剛性 (900 GPa) に達している。このような高強度および高剛性炭素繊維ではより高度な要求 (高性能や多機能等) に応えられる材料開発が必要である。
本講演では、炭素繊維の改質方法として、ポリマーコーティングとCNT析出について紹介する。特に、炭素繊維として高強度PAN系および高剛性ピッチ系炭素繊維を用い、これらの改質を行った際の炭素繊維およびその複合材料 (繊維束複合材料) の引張特性に及ぼす影響について述べる。また、CNTを析出させた炭素繊維については、熱伝導特性に及ぼす影響についても述べる。
(2013年4月23日 13:00〜14:20)
炭素繊維 (CF) に水酸基を導入する簡便な方法を開発した。このCFは親水性が高く、電極材料、CFRP (carbon fiber reinforced plastics) 、修飾電極、DDS (drug delivery system) などへの幅広い応用が可能になった。
(2013年4月23日 14:30〜16:20)
連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料の成形における問題点を挙げ、含浸性の向上のために開発された繊維状中間材料について概説する。 またこれらの中間材料を用いた、連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料のハイサイクル成形技術について述べる。