本セミナーでは、高分子固体電解質の特性向上に向けた研究開発と全固体リチウムイオン電池セルへの適用による電池特性事例まで解説いたします。
(2013年4月19日 11:00〜12:30)
山口大学 医学系研究科 (工学系) 教授 堤 宏守 氏液体電解質の代替としてポリマー電解質が注目されてから,約30年以上が経過している。ゲル電解質は一部実用化されているものの,溶媒を含まない真性ポリマー電解質と呼ばれる電解質は実用化には至っていない。 一方,自動車用あるいはロードレベリング用大型二次電池の必要性が高まる中,安全性を高めながら,エネルギー貯蔵密度を十分に高めうる真性ポリマー電解質を用いた大型二次電池の構築に大きな関心が寄せられている。 本講演では,このような背景を踏まえて,ポリマー電解質の基礎を再確認するとともに,真性ポリマー電解質が実用化に至らない主な問題点の指摘とそれを解決するための最近の取組について話題提供する。 さらに電池の大型化に伴う安全性維持の要であるポリマー電解質の難燃化についても,その原理と最近の取組について講演する。
(2013年4月19日 13:10〜14:30)
ダイソー (株) R&D本部 開発企画部 次長 植田 秀昭 氏
リチウム二次電池の火災事故から自動車や飛行機に搭載される電池の安全性の要求が非常に高まってきている。 リチウム二次電池は液体の電解質溶液が一般的に使用されているがより安全性の高い固体電解質を用いたリチウム二次電池の開発が活発に進められている。 弊社は従来から独自の重合技術を用いたポリエーテル系のポリマーを用いた全固体電池の開発を精力的に進めてきた。 本講演では弊社のポリマー電解質の設計指針やリチウム二次電池としての特性、技術的課題と今後の展開について最近の話題とともに講演する。
(2013年4月19日 14:40〜16:20)
東北大学 多元物質科学研究所 教授 本間 格 氏
電気自動車・ハイブリッド自動車等の安価大型二次電池として全固体型リチウムイオン電池に高い関心が集まっている。 本講演では高容量・高出力型リチウムイオン電池としての全固体型電池の構成部材、電極材料とシステムを整理し、さらに国内外の研究動向についても紹介する。ポストリチウムイオン電池としての実用化への技術的課題および実用可能性を議論する。東北大におけるナノテクノロジーを用いた先端固体電解質の設計と全固体電池特性に関しても最新の研究紹介を行う。