第1部:規格・試験法設定における外原規等公定書の理解と具体的検討手順
(2013年3月27日 10:30〜13:00)
帝京科学大学 医療科学部 教授 小島 尚 氏
医薬部外品や化粧品、 (以下、医薬部外品等) は医薬品と同様にヒトに用いることから、製造販売者は製品全般に責任がある。医薬部外品等は様々な成分から構成されているが、成分の多くは規格や確認方法などは各種の公定書や通知等に示されている。
しかし、区分1あるいは区分3に分類される成分では新たに申請資料等を作成する必要がある。そのため、医薬部外品原料規格や日本薬局方が拠りどころとなるが、多様な種類や形態を持っている個別の事例においては公定書や通知に示された内容や意図をくみ取り、その成分に対する適切な規格や試験法を設定することは容易ではない。
そこで、医薬部外品原料等を対象とした規格及び試験法の設定を目的に、各種の公定書の見方また規格及び試験法に基となる分析方法について解説する。
- 医薬部外品原料規格など関連する公定書の理解
(適切な規格及び試験法を作成するために必要な基礎知識を得る)
- 各種公定書・ガイドラインの基礎と解釈
- 医薬部外品原料規格2006 (外原規)
- 第16改正日本薬局方 (日局)
- 各種ガイドライン 等
- 日局、外原規などの公定書の比較と相違点
- 医薬部外品の規格及び試験法の作成上の基礎と実際
(過不足のない的確な規格及び試験法を設定するための理解を得る)
- 規格及び試験法に設定すべき必須項目
確認試験、純度試験また定量法等の規格作成に必要な規格項目
- 規格及び試験法に設定すべき試験項目
示性値や物理化学的な試験項目を必要とする成分や品目
- その他項目での基本的な考え方
重金属、ヒ素、確認試験と定量法の試験原理、標準品規格の実際等
- 試験成績に基づく承認申請のための規格設定
(規格及び試験法を適切に設定するためのエビデンスとは)
- 品質担保のための規格を設定するための規格範囲
- 原料や品目による規格を設定するための結果評価の考え方 等
- 分析バリデーションを基礎とした規格試験と試験実施
(試験成績の信頼性を高めるための実務的なサポート)
- 理化学分析の基本と規格設定に必要な測定
- 機器分析の保守、機器・器具のトレーサビリティー 等
第2部:原料の規格・試験法設定のポイントと承認申請資料作成および照会事項対応
(2013年3月27日 13:50〜16:20)
高橋化粧品技術相談所/コスメティックテクニカルアドバイザー 高橋 守 氏
化粧品は、現在、企業責任の名のもとに原料規格の制定及びその試験についての法的な義務はないが、本当にそれで化粧品製造販売業としての責務を果たしているのだろうか。
今回、企業として最低限の原料規格管理を示す。
一方、薬用化粧品である医薬部外品は承認許可制で、原料規格の作成は絶対条件である。
申請にあたっては、多くの照会事項を指摘され、容易に承認されないとも聞く。それらの照会事項を見ると、その大半は基本的な事項が多く見受けられる。
今回、この基本的事項を示し、申請に際しての規格作成の留意点を示す。
- 薬事法における化粧品・医薬部外品の変遷
- 化粧品・医薬部外品原料規格の変遷
- 化粧品原料規格作成の意義
- MSDSと化粧品原料規格の相違
- 原料試験成績表からの規格作成と新規原料の規格作成
- 医薬部外品原料規格2006及び追補について
- 粧原基、粧配規及び旧外原規との相違
- 外原規作成にあたっての検討委員会の指摘事項
- 日本薬局方原案作成要領からみる別紙規格作成
- 別紙規格作成の記載方法、必要事項及びその留意点
- 医薬部外品承認申請実務担当者説明会における機構の規格関連指摘事項
- 機構が示した記載整備チェックリストについて
- 規格申請後の照会事項の一例
- その他