シェール・ガス革命が日本の石油化学産業に与える影響

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
会場 開催

日時

開催予定

プログラム

エネルギー専門家の予想を超えた、この2年間における米国を震源地とするシェール・ガス革命によって、世界の石油化学産業の地図が急速に塗り替えられつつある。日本の石油化学産業は、エチレン生産が2010年に3年ぶりに年間700万トンを超え、2011年春までは予想以上の活況を呈していた。  2011年春までの石油化学産業の好業績の理由は中国向けを中心に自動車、家電製品に利用する合成樹脂の需要が急増していたからである。しかし、欧州諸国における信用危機に端を発する世界経済の景気後退とともに、中国向けをはじめとしたポリエチレン、ポリプロピレンの需要が大きく減少し、2012年上半期のエチレン生産量は296万900トンと18年ぶりに300万トン割れという低水準に落ち込んだ。エチレン・プラントの稼働率も好不調の目安となる90%を大きく割り込み、2012年通年で600万トンすれすれの状況となっている。  これまでは、中東、中国において相次いで、大規模石油化学プラントが立ち上がっているものの、中国をはじめとしたアジア諸国における需要の伸びに供給が追いつかず、石油化学製品、原料のナフサの需給逼迫が続き、日本の石油化学製品の輸出も順調に増加すると考えられていた。しかし、2012年年初からの欧州諸国の信用危機の深刻化により状況が大きく変化した。  ①2012年の春節以降も、中国における石油化学製品需要が伸び悩み、②ロー・コストの天然ガスを原料とする安価な中東諸国の石油化学製品のアジア市場流入が増加、③円高の進展による日本の石油化学企業における輸出競争力低下と安価な低品質海外製品輸入の増加、④米国におけるシェール・ガス革命による、ナフサの10分の1程度という安価なエタンを原料とする欧米石油化学メーカーの相次ぐ巨大エチレン・プラントの建設計画、が挙げられる。国内においては、東日本大震災からの復興特需が遅れ、原油価格の高騰によるナフサ価格の上昇に伴い、デフレが進行する日本経済において、原料価格の高騰を最終製品価格に転嫁できないという問題を抱えている。  既に、三菱化学はエチレン生産能力の3割削減を打ち出し、国内の過剰生産能力統合・再編への動きが本格化してきた。他方、日本企業は、電子機器向けをはじめとした高機能プラスチックの増産、アジア諸国への工場展開、米国におけるシェール・ガスを利用した石油化学製品製造技術の開発に活路を見出そうとしている。こうした日本の石油化学企業における海外展開戦略の最新動向と高機能樹脂の今後の可能性、石油化学企業の生き残り戦略とシェール・ガス革命に伴うビジネス・チャンスについて詳細に解説する。

  1. 欧州諸国信用危機とシェール・ガス革命-石油化学製品需要と円安の最新動向
  2. 日本国内における石油化学製品の需給動向と価格転嫁の最新動向
  3. 不透明な中国経済の現状と中国における石油化学製品需要の今後の動向
  4. インド経済の現状と石油化学製品需要の最新動向
  5. 欧米経済の不透明感による欧米市場の石油化学製品需要の今後
  6. 拡大するアジアの自動車、家電市場の動向と将来的なリスクとチャンス
  7. 中東産油国の石油化学プラントの状況と今後の新増設の動き
  8. 中国における石油化学プラントの新増設への動き
  9. ベトナム、インドネシアをはじめとしたアセアン諸国の石油化学プラント
  10. 欧米巨大石油化学企業の現状と今後の経営戦略
  11. シェール・ガス革命による米国の巨大エチレン・プラント計画の最新動向
  12. 日本の石油化学企業の国際競争力-ナフサを原料とした石油化学の生き残り
  13. シェール・ガス開発における石油化学企業のビジネス・チャンス
  14. 日本の石油化学企業の米国シェール・ガスを活用したビジネス・チャンス
  15. 日本の石油精製・元売企業による石油化学事業強化の将来性
  16. アジアにおける石油化学製品需給回復への最新動向
  17. 世界の石油化学産業の統合・再編への可能性とビジネス・チャンス
  18. 原料となるナフサ価格の今後の見通し-天然ガスとの価格差の動向
  19. 日本の高機能石油化学製品の競争力と可能性
  20. 日本の石油化学企業を巡る国内と海外の事業展開における経営戦略

会場

東京流通センター
143-0006 東京都 大田区 平和島6-1-1
東京流通センターの地図

受講料