本セミナーでは、廃棄物発電の各種方式から高効率化技術の最新動向等について、斯界の第1線で研究開発を手掛ける講師が解説いたします。
廃棄物処理施設の役割は元来、公衆衛生 (防疫) と中間処理における減容化に主眼が置かれていたが、1990年代に入り発電を中心とするエネルギー拠点としての機能が新たに加わり、プラントシステムの設計思想が根本的に改められた。 さらに、2011年3月11日の東日本大震災により顕在化した原子力発電の安全神話の崩壊に伴い、エネルギーセキュリティの観点からも、環境調和型地域 (独立) 分散電源としての廃棄物発電の有用性や、2012年7月1日に施行された再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (FIT) への認定などを通して、バイオマス系廃棄物発電に対する価値認識が改善されるに至り、これらの有効活用が社会的に強く要請されている。 しかし、廃棄物発電の高効率化に際しては技術面をはじめ、制度面や廃棄物処理に対する国民の認識 (NIMBY) など多くの局面で克服すべき障害や課題が存在する。 本セミナーでは、廃棄物発電の技術面とマネージメント面からの歴史的検証を踏まえ、高効率化に対する技術的障害要因である廃熱ボイラ高温部材の腐食損傷問題とその対策例を中心に概説し、今後の技術展開に向けた糧を提供するとともに、制度やマネージメント面における諸課題についても言及したい。