精密塗布技術を機能性フイルムの実用化等に応用展開する場合の技術的な課題やポイント、さらに、開発段階で考慮すべき課題 (処方設計・塗布技術・送液技術) などについて言及したい。
また、機能性フイルムの実用化時に多く利用されている、塗布の多層化の課題についても言及する。主に、現場の実用化段階で発生すると思われる問題点 (塗布スジ、塗布ムラ、膜厚分布の不均一化、泡,ブツ・・・) を中心に、その検討・対策方法などについて、筆者の今までの長い現場の経験をもとに考察したい。具体的には、機能性フイルムの実用化時に多く利用されているダイコートを中心に、グラビアコート、コンマコート等ついて述べるつもりである。
- 精密塗布技術の位置付け
- 塗布技術の位置付け
- よく利用されている塗工方式
- 各コーターの特徴,塗布量Control方法
- 設備技術の対応
①先端形状の加工仕上げ精度の向上
②先端への超硬合金、HIP技術の導入
- 機能性フイルムの塗布多層化時の考慮すべき課題
- 各コーター実用化時の現場で発生する問題点とその解決策
- :Die Coat で発生する問題点とその解決策
- 塗布スジ対応の発生原因と対応
①ダイ先端部への泡のトラップ
②ダイ先端部へのブツ (異物) のトラップ
③ベースに付着しているゴミ (異物) のトラップ
④ダイ先端部またはスリット部での塗液の乾き
⑤ダイ先端エッジ部でのベース削れ
- 塗布ムラ
- 機能性フイルムのクリーン化技術
- 巾方向の膜厚分布の均一化対応
①スリット巾のチェック
②テンションチェック
③スロット径・形状チェック
④スペーサー形状チェック
⑤給液方法
- :Micro Gravure Coat で発生する問題点とその解決策
- :Comma Coat で発生する問題点とその解決策
- 精密塗布技術を支えている周辺技術
- 送液システム
- 脱泡技術
- ろ過技術
- その他
- 現場における洗浄技術
- ベースのクリーン化及び雰囲気のクリーン化技術
今回は,送液システムの課題と主に脱泡技術について述べる。