低硬度導電性および半導電性安定化シリコーンゴムという技術領域を開拓した技術者として知られる。導電性カーボンブラックの設計にも精通し、ファーネス法とアセチレン法の両タイプのカーボンブラック新規開発に参画した。 また、組成物の導電性測定を妨げる最大要因である接触抵抗を、完全に分離除外できる新測定法「グラフ化法」を提唱し導入企業は増加中である。電気計測系技術や電波吸収体設計の著作も多い。 導電性組成物分野において、原材料製造から配合設計、混練加工、電気測定、量子論的理論解析に至る全ての技術要素を、明快に説くことのできる稀有な専門家である。 高分子系組成物において、導電性を有する材料は高収益が見込める数少ない技術領域のひとつです。しかし、日本における導電設計分野は、客観性と理論整合性のある情報提供が少ないという特殊性が否定できませんでした。カーボンブラックメーカーや導電性測定装置メーカー、カップリング剤メーカーなどが儲けるために主導した“ゆがんだ情報”に惑わされる技術者は、今でも後を絶たないように感じられます。 本講座は、それぞれの企業において期待される導電性組成物技術者に寄り添いながら、必要とされる広範囲な技術情報を余すところなく解説いたします。不正確な情報に関しては、その理由を詳細にご説明してゆきます。更に、前回 (2012.3) の同名の講義において、多くのご希望が寄せられた導電性測定方法「グラフ化法」を演習と共に習得して頂きます。