本セミナーでは、クレイによる高機能材料開発の基礎からガスバリア性、太陽電池・有機ELへの展開まで解説いたします。
ポリマークレイナノコンポジットは、有機ポリマーにフィラーとしてナノクレイを添加し、ナノレベルまで均一混合した材料のことである。従来は、ポリマーに対しクレイの添加量は10%未満に抑えられており、混合前のポリマーと比較して耐熱性・ガスバリア性・強度・難燃性などに一定の改善がみられることから、多くの研究・検討例がある。 また、食品包装材料、耐熱材料などで実用化されているものもある。独立行政法人 産業技術総合研究所が開発した粘土膜「クレースト®」は,ポリマークレイナノコンポジットにおいて、そのクレイ混合比を高めたものであり、柔軟でありながら,高い酸素ガスバリア性や水蒸気バリア性,透明性を持つため,食品・医薬品包装材料などへの利用が期待されている。 本講演では、ポリマークレイナノコンポジットの基礎を解説するとともに、技術の導入の仕方、クレーストの開発状況、今後の展望について紹介する。