将来予測の作り手と使い手が共通認識の下で予測シナリオを作り上げることができ、またカスタマイズが容易である点でExcelは有用なツールである。
そこでExcelを用いた将来予測の実例を紹介しながら、スプレッドシート上に展開する方法やワークシート関数の使い方を解説する。
- 対象疾患の過去・現在の患者数を推計し、将来を予測する
- 市場予測する疾患を明らかにする
- 利用できる患者数データを理解する
- 目的に会った患者指標 (人口、有病率、診断率、新患など) を選ぶ
- 患者指標を論理的に組み立てる
- 患者指標を予測することで、将来の患者数を算出する
- 対象薬効群の過去・現在の処方患者数を推計し、将来を予測する
- 市場予測する薬効群を選ぶ
- 売上と整合性がとれるように処方患者数を推計する
- 併用療法については重複しないように患者数を推計する
- 薬効群ごとに処方率を予測することで、将来の処方患者数を算出する
- 対象薬効群の過去・現在の平均薬価を算出し、将来を予測する
- 売上金額と推計患者数から対象薬効群ごとに1日平均薬価を計算する
- 将来の平均薬価に影響を与える要因 (薬価改定、後発品) を加味する
- 薬価影響率を年平均に換算する
- Excelを使用した市場予測モデルの作成
- 対象疾患患者数、薬効別処方患者数、平均薬価を論理的に関連付けてExcel上に表現する
- 各指標が許容範囲内かどうかグラフに描くなどしてチェックする
- 市場予測たたき台を作成する
- 関係者との協議に基づいて微調整を行い、市場予測を完成させる
- Excelを使用した売上予測モデルの作成
- 予測の目的に合ったモデルを選択する
- 処方シェアを予測変数とした基本的なモデル
- 患者数または販売数量に回帰式を当てはめて得られたモデル
- 新患・脱落・切替を加味した動的なモデル
- ディテール数と売上を連動させたモデル
- 製品価値とディテール数を要素に組み込んだモデル