機械を設計する仕事はどういう仕事なのでしょうか。エンジニアの仕事とはどんなことなのでしょうか。そのヒントに有名なSFドラマのスタートレックにこんな言葉があります。「戦士はヒーローになれても、社会を創るのはエンジニアなのよ。」 これは、第4作目「スタートレック ヴォイジャー」の中で、宇宙船ヴォイジャーの機関士で若き女性エンジニアのベラナトレス中尉がいう台詞です。この物語は、最大ワープ速度で飛んでも76年かかるという宇宙の果てから地球へ帰還するまでのエピソードが綴られています。 ある時、立ち寄った惑星では度重なる異星人の略奪に対抗するために全員が戦士となって戦っていました。戦乱で荒廃した惑星では技術など無意味で戦うことが大切なのだという元技術者の戦士に、トレスがこの言葉で力強く諭すのです。そこには、エンジニアがエンジニアにしかできない仕事に対する誇りと自信が満ちているのです。 「機械」とは、何らかのエネルギーを用いて「人」や「社会」に役に立つ「仕事」をするもので、これを創り出すのが技術者です。しかし、どんなに良いものでも、使ってもらわなければ意味がありません。 また、正当な代価を得て次なる「機械」を生み出す糧を得なければ、その生産活動は停止してしまうでしょう.良いものを安く提供し、かつ利益を上げるという、相反する課題をクリアしつつエンジニアがエンジニアとしての仕事を全うしていくことが大切なことなのです。 では、いったいどうやってそのような難問を解決していけばよいのでしょう。 本セミナーがこの難問に挑むきっかけになれば幸いです。そして、御社におけるよりすばらしい製品がたくさん社会に送り出されることを期待しています。
私たちの周りには、家電製品をはじめ工場で稼働するロボット、自動車や電車などいろいろな機械があり、私たちはその恩恵を受けて生活をしています。機械とは、何らかのエネルギーを使って、人や社会に役に立つ仕事を行うモノをいい、その機械を設計して創出し、活用するのがエンジニアの仕事です。 ところが、痛ましい事故は時代が進んでも後を絶ちません。これらの原因の1つには必ず機械要素部品が関係しています。エンジニアは人や社会に役に立つモノを創り出す反面、その設計次第では1つ間違えば大きな事故に繋がる重大な責任を負っているのです。 本セミナーでは、実践的な機械設計の基礎知識についてその重要なポイントを事例を挙げながら解説します。 また、機械設計を行う上で必要な機械要素、材料、加工技術といった機械工学の基礎知識についても解説します。そして、機械設計の仕事とは何をすることなのかを事例を示しながら解説します。初級設計者や機械設計入門者を対象としてわかりやすく解説します。