本セミナーでは、複屈折を中心とした偏光の基礎と高分子の偏光や複屈折の例を交えながら詳説いたします。
近年の光学技術の発展とともに、複屈折だけでなく、旋光性、二色性、円二色性および偏光解消という偏光特性が重要な物理量となっている。しかしながら、これらの偏光特性は実際に目に見えない上に理論と一致しにくい。ある意味では、光学で最もわかりにくい分野の一つかもしれない。 本講義は複屈折を中心とした偏光の基礎として、偏光とは何かというからスタートして、偏光の測定法までを講演する。ここでは偏光状態を表現するストークス・パラメータと偏光素子を表すミュラー行列を中心にお話する。さらに、ジョーンズ行列、ジョーンズ・ベクトルとポアンカレ球を学ぶことによって、すべての偏光を把握することができる。実例として、光ディスク、液晶ディスプレイ、生体など高分子の偏光や複屈折の例を交えながら、これらの検査方法である偏光計やエリプソメトリを紹介する。