(2013年2月13日 14:00〜15:10)
森・濱田松本法律事務所 弁護士・前文化庁著作権課著作権調査官
池村 聡 (いけむら さとし) 氏
2013年6月に著作権法が一部改正され、2013年1月に全面施行される。 本改正は、いわゆる「日本版フェアユース」に端を発する新たな権利制限規定や技術的保護手段の見直し (いわゆるリッピング違法化) 、そして大きな議論を巻き起こした議員修正による違法ダウンロードの刑事罰化等を内容とする大規模改正であるが、残念ながら不正確な情報が蔓延しており、そのような情報の中には、いわゆる有識者発のものも少なくない。 本講では、審議会での議論から条文化、国会審議に至るまで、改正法の全過程を担当した講師が、条文だけを見ても決して分からない改正法の「真実」を語り、「フェアユース」議論の今後を占うとともに、合わせて改正法を踏まえた企業対応についても解説する。
(2013年2月13日 15:20〜16:30)
文化庁著作権課著作権調査官・弁護士
小坂 準記 (こさか じゅんき) 氏
第2講義の目的は、①間接侵害、②出版者への権利付与等、③パロディ、④私的録音録画補償金制度、⑤TPPを題材に、著作権法を取り巻く最重要論点について、現在の「議論の到達点」を網羅的に、かつ、正確に把握することにある。 題材として取り上げる論点は、いずれも実務家、有識者などによって、活発な議論が各所で行われているところであるが、情報が錯綜していることも否めず、正確な情報を把握し難い状況にあると言わざるを得ない。 そこで、本講義では、先に挙げた5つの論点を一挙に取り上げ、それぞれの「問題の所在」、「議論の到達点」を概説したうえ、「今後の展望」を考察する。