リチウムイオン電池製造の勘どころ

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本セミナーでは、リチウムイオン電池の製造について基礎から解説し、スラリー調整・塗布・乾燥プロセスまでを徹底解説いたします。

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プログラム

第1部 バインダーの選定と電極スラリー分散調整の勘どころ

(2013年2月14日 10:00〜11:20)

日本ゼオン (株) エナジー材料事業推進部長 脇坂 康尋 氏

 バインダーは単に「結着する」という機能以外に、塗料化、塗工などのプロセスにおける機能、電気化学的な安定性などに起因する電池特性への機能など様々な役割を持つ。  本発表では、スラリー調整におけるポイントを電池特性への影響を踏まえ、解説する。また、バインダーの種類と特徴、電池性能への影響などについて最新の技術動向についても報告する。

  1. リチムイオン電池におけるバインダーの機能と役割
    1. プロセス面における機能
    2. 電池特性における機能
  2. 分散の基本技術とバインダーの設計
    1. 分散の基礎理論
    2. バインダー設計による分散制御
    3. 水溶性高分子の役割
  3. 水系スラリー及び極板の作製方法
    1. スラリーの作製方法
    2. 増粘剤の選定と混練条件
    3. スラリー作製および乾燥における留意点
  4. 正極用バインダーの種類と特徴
    1. 溶剤系バインダー
    2. 水系バインダー
    3. 正極用バインダーの電池性能への影響
  5. 負極用バインダーの種類と特徴
    1. 溶剤系バインダー
    2. 水系バインダー
    3. 負極用バインダーの電池設計への影響
  6. 新しい電池設計
    1. Si系活物質のバインダーによるマネジメント

第2部 リチウムイオン電池製造における塗布・乾燥の勘どころ

(2013年2月14日 11:30〜12:50)
山形大学大学院 理工学研究科 准教授 立花 和宏 氏

 リチウムイオン二次電池の基本的な動作を理解しており、研究開発のための材料選択や設計、あるいは現場で製造プロセスの設計などのためのより深い理解を求めている方々に、リチウムイオン電池に使われる材料の特性について学術的な面から掘り下げ、塗布や乾燥の条件が電気化学的に電池の出力特性やサイクル寿命にどのように影響するのか議論することを目的とする。

  1. リチウムイオン二次電池に使われる材料
    1. 活物質の固体表面の極性
    2. 炭素材料の表面官能基の極性
    3. バインダーと溶媒・分散媒の極性
    4. 集電体の表面の不働態皮膜と合材密着性
  2. 材料選択・分散・乾燥と電池の出力特性
    1. 紛体混合による活物質表面の劣化
    2. 合材スラリーの分散安定性とインピーダンス
    3. 乾燥過程における導電ネットワークの形成
    4. 活物質の種類によるアンダーコートの効果の違い
  3. 塗布・乾燥が及ぼす電池のサイクル劣化への影響
    1. 炭素材料がかかわる電解液の電気分解
    2. 塗布ムラと電流集中による電解液の電気分解
    3. バインダーの極性と電解液の電気分解
    4. 分散剤残留と電解液の電気分解

第3部 リチウムイオン電池製造工程随所における濡れ性評価の勘どころ

(2013年2月14日 13:40〜15:00)

FIA 代表 福山 紅陽 氏

 リチウムイオン電池の製造では、スラリー塗布工程や電解液注入工程などがあり、これらと固体材料とのぬれ性を評価・制御することは大変重要になっています。  本セミナーではまず、ぬれ性を直感的かつ簡便に評価できる指標でありながら、固体最表面の特性を鋭敏に反映する接触角の概念について説明します。  次に、ぬれ性を決める因子である表面張力について説明し、さらに、接触角を測定するうえでの各種因子の影響や注意点について説明し、評価担当者が感じる疑問・不安を払拭することを目指します。

  1. ぬれと接触角
    1. 接触角とは?
    2. ぬれ性と接触角との関係
    3. 接触角から何がわかるか?
    4. 接触角測定の表面感度~膜厚と表面被覆率
  2. 表面張力
    1. 表面張力とは?
    2. 表面張力から何がわかるか?
    3. Youngの式~接触角と表面張力との関係
    4. ぬれ性を制御するにはどうすればよいか?
  3. 接触角の測定方法と測定上の注意点
    1. 接触角の測定方法
    2. 動的接触角
    3. 接触角は10°ばらついてアタリマエ?
    4. 接触角と表面汚染~大気曝露時間,汚染量
    5. 各種洗浄による接触角の変化
    6. 接触角の定義をどうするか?~液量依存性と経時変化
    7. 固体表面の帯電の影響
    8. 試液として蒸留水は使えない?

第4部 リチウムイオン電池 (セル) における電極加工・セル組立の基本と勘どころ

(2013年2月14日 15:10〜16:30)
泉化研 (株) 代表 菅原 秀一 氏

 リチウムイオン電池 (セル) の基礎研究はコインセルなどで行われ、電極加工やセルの組立も実験的に行われる。  一方で実用セルの場合は、大面積の電極を、一定の規格内で、不良の出ない様に制作する必要がある。この過程はかなり複雑であり、本当に必要なことと、多少は許容しても良い“勘どころ”がある。  本セミナーではこれらの点を基礎から分かり易く説明する。

  1. リチウムイオン電池 (セル) の構造と構成
    1. 廻回型 (円筒、角型) と積層型 (ラミネート) のセルの構造
    2. 電極板/セパレータ/収束構造/電極端子/外装材への封入
  2. 電極板の製造 (塗工、乾燥、スリット、プレス)
    1. 活物質の粉体加工/スラリー化/塗工、乾燥
    2. バインダーの選定とスラリーの特性
    3. スリット、ロールプレス、最終乾燥
  3. 電極板の特性評価と不良原因
    1. 目付量、電極密度、空隙率
    2. 接着不良、結着不良、剥離
  4. セルの組立 (捲取、積層) 、初充電と特性異常
    1. 組立と中間検査 (不良品検出)
    2. 初充電工程、自己放電、内部短絡
    3. 安全性との関係
  5. 参考 最近の高性能正負極材の電極板製造とトラブル
    1. 5V系高容量正極材
    2. 鉄リン酸リチウム (オリビン鉄)

会場

東京ビッグサイト
135-0063 東京都 江東区 有明3-11-1
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