第1部 品質に関わる試験検査室管理の3極GMP要件と査察事例からの対応 ~PIC/S加盟を見据えて 今 対応すべきこと~
国内製薬企業は、グローバルな視点で研究開発、医薬品生産を進め、日米欧共通の製造販売承認を得ることを課題としている。
医薬品の試験検査を行う品質管理部門は、正確で信頼できる試験データの提供等から医薬品GMP遵守の要である。従って試験検査等の従事者は、医薬品の製造承認までの流れを理解し、品質管理のGMP要件を整理してGMPの国際的基準と言えるPIC/Sを見据えて対応していく必要がある。
今回、試験検査室におけるGMP管理上の留意点を査察等指摘事例の紹介を含めて解説する。
- 医薬品の研究開発
- GMPガイドラインにみる品質管理の要件
- FDA査察事例から試験検査室における実務的留意点
- 試験検査室におけるGMP要件
- 試薬・標準品等の管理
- 受入れ試験及び試験省略時における確認事項
- 試験記録
- 生データ管理及び試験結果の精査
- 保存検体の管理
- 試験室への技術移転での留意点
- OOS調査レギュレーションに対応した措置
第2部 品質試験実施における生データの取り扱い・QC/QAと「ロ」・「ハ」項での照会事項対応
品質試験における生データを含む記録書類は、第三者が引用する際に、記録作成者の説明を要せずに理解できるよう、正確かつ科学的にまとめられなければならない。
このようにして作成された記録は、医薬品の後々の各開発段階で役立つのみならず、医薬品の製造販売承認申請の生データとしても使用が可能となる。
生データを取り扱う場合、個々人が絶えずデータの活用について意識しながらまとめるべきであり、今回は、こうした観点から品質試験実施における生データの取り扱い・QC/QAと「ロ」・「ハ」項での照会事項対応に関する留意点について紹介する。
- 医薬品開発過程における品質試験と法規制
- 品質試験における生データ等記録書類のまとめ方
- 製造承認申請における生データの取扱い
- 記録は、読みやすく、誤りなく
- 承認申請のための「ロ」「ハ」項の記録書類のまとめ方
- 製造方法
- 規格及び試験方法
- 装置および器具等の保守点検、校正記録
- 試薬・試液および標準物質の管理
- 分析方法のバリデーション
- 試料の重量測定
- 測定
- 赤外吸収スペクトル測定法
- クロマトグラフィー
- 電位差滴定法
- 安定性試験
- 記録書類のQC/QA
- 「ロ」・「ハ」項の照会を少なくするための記録書類の作成