本セミナーでは、信頼性の基本概念、信頼性試験の体系と各試験の位置づけ、故障物理に基づく加速モデルの選択、試験条件の設定手順と妥当性確認の考え方を基礎から解説いたします。
「加速試験はなぜ失敗するのか」など、実務で判断に迷いやすい点を具体的に取り上げ、自社の業務に応用できる実践力の習得を目指します。
日時
- 2026年11月24日 10時00分〜 2026年11月24日 17時00分
プログラム
「この試験条件は、なぜこの値なのですか」。そう聞かれて、「前任者から引き継いだから」と答えるしかない。加速試験の現場では、こうしたことが少なくありません。条件の根拠が分からないまま試験が続き、市場で不具合が発生して初めて、試験の前提や条件設定を見直すことになる場合もあります。 本セミナーでは、信頼性試験と加速試験の基本的な考え方を学んだうえで、使用環境や故障メカニズム、市場の故障データをもとに、試験条件を自分で考え、決められるようになることを目標とします。 疲労と熱劣化という二つの代表的な劣化を題材に、故障メカニズムの理解から、加速モデルの選択、使用環境の把握、加速係数や試験時間の決定までを、一連の流れとして解説します。三つの演習では、実測のひずみ波形、温度分布、市場の故障データという、実務で扱う情報を用いて実際に試験条件を検討します。 また、加速倍率を大きくすればよいわけではありません。劣化ごとに「どこまで加速してよいのか」を考え、最後に、試験で生じた壊れ方が実使用時の壊れ方と同じかを確認する方法まで扱います。 本セミナーでは、単に計算式から数字を求めることではなく、「なぜこの試験条件なのか」を技術的な根拠をもって説明できるようになることを重視します。なお、クリープ・応力緩和および湿度が関係する劣化については付録資料としてご用意し、ご要望に応じて解説します。
- 信頼性の基本概念
- 信頼性の定義と、信頼性工学が開発プロセスで果たす役割
- 故障のパターンとバスタブカーブ
- 初期故障
- 偶発故障
- 摩耗故障
- 信頼性指標の読み方
- 信頼度関数 R (t)
- 故障率 λ (t)
- MTTF・MTBF
- ストレス – ストレングスモデル – 二つの分布の重なりを小さくするのが信頼性設計
- 信頼性試験の全体像と、加速試験の役割
- 信頼性試験の種類と目的 – 何を模擬する試験なのか
- 試験区分ごとの位置づけと、複合ストレスの扱い方
- 開発目標をどう立てるか – 二つのやり方
- 確率で立てる
- 信頼度と信頼水準、必要なサンプル数
- 最悪条件で立てる
- 安全率、ワーストケース解析
- どちらを選ぶか
- 部位の重要度と、手元にある情報量で決まる
- 確率で立てる
- 試験計画の考え方 (試験時間、合否判定基準を先に固定する)
- 加速試験とは何か
- 加速係数 AF と、時間を縮めるという発想
- 故障メカニズムと加速モデルの対応 – どの現象に、どの式を使うか
- 使用環境から試験条件を決める – 疲労
- 疲労はどう進むか
- 亀裂の発生から進展、破断まで
- S-N線図の作り方と読み方、疲労限度の意味
- 応力集中と、部品のS-N線図
- 壊れる場所は局所で決まる
- 切欠き
- 打ち抜き端面
- 溶接止端
- 材料のS-N線図は、その部品のS-N線図ではない
- 寸法効果
- 応力分布
- 表面状態
- 平均応力
- 部位を模擬した試験片でS-N線図を取る
- 壊れる場所は局所で決まる
- べき乗則による加速
- 式、べき指数 n の決め方
- 文献値
- 実測
- 安全側の仮定
- 式、べき指数 n の決め方
- 使用環境の測り方
- ひずみ測定
- レインフローカウント
- 頻度線図
- 変動荷重の扱い
- 累積損傷則 (マイナー則と修正マイナー則)
- 加速の上限は何が決めるか
- S-N線図の確認範囲と、応力域による傾きの変化
- 【演習1】実働の頻度線図から台上試験の条件を決める
- 頻度線図から、代表応力に換算した等価繰り返し数を求める
- 損傷寄与の大きい応力水準を見極める
- 加振荷重と、上げてよい上限を決める
- 疲労はどう進むか
- 使用環境から試験条件を決める – 熱劣化
- 温度で進む劣化
- 拡散
- 化学反応
- 絶縁材料の劣化
- はんだ接合部の拡散劣化
- アレニウスモデル
- 式
- 加速係数
- 「10°C2倍則」との関係
- 活性化エネルギー Ea の決め方 (文献値・実測・安全側の仮定)
- 加速の上限は何が決めるか
- ガラス転移点と、モデルが成り立つ範囲
- 使用環境の測り方 – 温度分布の把握と、損傷等価温度の考え方
- 【演習2】温度分布から加速試験の条件を決める
- 温度ごとの損傷寄与を求める
- 損傷等価温度を逆算する
- 加速倍率と試験時間を求め、期間が取れないときの手を考える
- 温度で進む劣化
- 市場の故障データから試験条件を見直す
- 市場データの特徴
- 大半は「まだ壊れていない」
- 解析の軸を決める
- 走行距離と使用期間、どちらと相関する故障か
- ワイブル分布の基礎
- 形状パラメータ m
- 尺度パラメータ η
- BX寿命
- 累積ハザード法
- 打切りデータをどう数えるか
- ワイブルプロットの読み方と、直線から外れる点の扱い
- 目標時点の故障率を予測し、開発目標の倍率に変える
- 【演習3】ワイブルプロットから試験条件を見直す
- 外れている点を見極め、直線を引き直す
- 設計寿命時点の累積故障率から、必要な倍率を求める
- 必要な試験回数と荷重倍率を決める
- 市場データの特徴
- 同じ壊れ方になっているかを確かめる
- なぜ確認が要るのか – 試験条件は、モデルとパラメータという前提の上に成り立つ
- 破面観察で何を見るか
- ビーチマーク
- ストライエーション
- 破壊起点
- 実使用不具合との突き合わせ – 何と何を比べるか
- 違っていたときに、どこへ戻るか
- モデルの選択
- パラメータの値
- 加速の上限
- まとめ
- 二つの劣化に共通していたこと
- 上限は装置ではなく材料とデータが決める
- パラメータは文献値・実測・安全側から選ぶ
- すべては使用環境を測ることから始まる
- 現場に戻ってから
- いまの試験条件が市場の何年・何kmに相当するか計算してみる
- 決めた根拠を残す
- 判断を一人で抱えない
- 確認テスト (全20問)
- 二つの劣化に共通していたこと
- 質疑応答
付録 (質疑応答・個別のご要望に応じて)
- クリープ・応力緩和
- 三段階のクリープ曲線
- 締結部の軸力低下
- ラーソン・ミラー法による外挿
- 湿度が絡む劣化
- 腐食・加水分解
- アイリング型モデル
- Peck モデル (温度+湿度)
- 社会が許容する故障率
- R-Map と、重要保安部品に許される水準
受講料
- 1名様: 38,200円(税別) / 42,020円(税込)
- 複数名: 25,000円(税別) / 27,500円(税込)
複数名受講割引
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 38,200円(税別) / 42,020円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
- 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 請求書は、代表者にご送付いたします。
- 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。 - 他の割引は併用できません。
- サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。
アカデミー割引
教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。
- 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
- 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
- お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。
ライブ配信セミナーについて
- 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
- お申し込み前に、 Zoomのシステム要件 と テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
- 開催日前に、接続先URL、ミーティングID、パスワードを別途ご連絡いたします。
- セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
- セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
- ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
- タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
- ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
- 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
- Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。