電気めっきした鉄鋼材料やチタン合金、高圧水素ガス環境で用いるステンレス鋼、腐食環境における高強度鋼など、製造工程や環境から材料中に侵入した水素によって金属材料が脆化して、大きなトラブル、事故に発展する可能性がある。 講演者は、これまでに鉄鋼メーカー、電気めっき企業、自動車関連企業、ボルト販売会社などから多くの技術相談を受けるとともに、企業からの受託研究を実施して、問題を解決してきた実績がある。これらの実績を通して得られた水素脆化対策をできるだけわかりやすく話をする。 水素脆化を理解するためには、材料と環境の特徴を知ることが効果的である。また、品質を保証するためには、各種水素分析法の特徴を予め知っておくことが必要である。これらを金属材料学の基礎から詳しく話をする。 水素脆化が問題となる製品の製造企業や取り扱い企業の方、水素脆化対策で頭を痛めておられるものづくり企業の方、水素脆化に特に注意を払う必要のある電気めっき企業の方、ボルトなど腐食に伴って水素侵入が起こる部品を製造する企業やその取り扱い企業の方などに聴講をお勧めしたい。