TIMの開発動向と熱伝導性、形状追従性の向上

オンライン 開催

本セミナーでは、電子機器、車載機器の伝熱設計でTIM (サーマルインターフェイスマテリアル) を活用するためのポイントについて詳解いたします。
また、CNTのTIM応用への展望とシリコーン系、ウレタン系TIMの特徴、技術動向について解説いたします。

日時

中止

プログラム

第1部 TIMを中心とした放熱材料の技術動向と要求特性

(2026年10月2日 11:00〜12:00)

 電子機器の高出力化・高密度実装、車載電動化やデータセンタの高発熱化により、放熱設計は製品性能を左右する重要課題となっている。なかでも発熱体と冷却部材の界面に介在するTIM (Thermal Interface Material) は、熱伝導経路の最後のボトルネックであり、その選定が放熱性能を大きく左右する。  一方で、グリース・ギャップフィラー・各種シート・炭素系材料など選択肢は多様化し、ユーザーにとって最適材料の見極めは年々難しくなっている。  本講演では、コンサルタントおよびユーザー双方の視点から、放熱材料の全体像を俯瞰したうえで、熱伝導率だけでは語れない実効性能・形状追従性・信頼性といったユーザーから見た要求特性を整理する。さらに、カタログ値の限界と評価の考え方、高熱伝導化と形状追従性を両立する最新の材料動向までを平易に解説し、自社用途に応じた材料選定の判断軸を提供する。

  1. 放熱設計とTIMの重要性
    1. 機器の高出力・高密度化と発熱の増大
    2. 車載・パワーエレクトロニクス/データセンタの放熱要求
    3. 界面熱抵抗とTIMの役割
    4. TIM市場の動向
  2. 放熱材料の全体像
    1. TIMの定義と役割
    2. 形態別の分類
    3. 樹脂とフィラーの基礎
    4. 形態別の長所・短所
  3. ユーザーから見た要求特性
    1. 熱伝導率と接触熱抵抗・BLT
    2. 形状追従性と低応力化
    3. 信頼性
      • ポンプアウト
      • 経時変化
    4. 副作用の回避と難燃性
    5. 作業性と量産適性
  4. 性能評価の考え方
    1. カタログ値の限界
    2. 熱抵抗評価の基礎 (ASTM D5470)
    3. 実装条件での実効性能
    4. 材料選定の判断軸
  5. 最新の技術動向
    1. 高充填化と配向制御
    2. 炭素・黒鉛系材料の進展
    3. 放熱シートの進展
    4. 各形態の高性能化と課題
    5. 環境対応 (難燃・低VOC)
  6. まとめ
    • 質疑応答

第2部 カーボンナノチューブの放熱材料、TIMへの応用可能性

(2026年10月2日 13:00〜14:00)

 近年、人工知能 (AI) 技術の爆発的普及やデータセンターの処理能力向上、自動車システムの電子化 (パワー半導体搭載等) など高度な熱伝導材料のニーズが高まっており、従来の液TIMにおけるポンプアウト現象や経時劣化など、長期的な信頼性が課題となっています。この課題を解決する次世代素材として、優れた熱伝導性、柔軟性、そして高い化学的・熱的安定性を併せ持つ「垂直配向カーボンナノチューブ (CNT) フォレスト」が有望視されています。  本講演では、CNTフォレストを実用的な固体TIMとして社会実装するための最新の研究開発成果を解説します。CNT成長の自己失活現象解明から、安価な金属基板上への超高密度直接成長プロセス、さらには過渡熱応答測定 (T3Ster) を活用したバルク・接触熱抵抗の高度な分離評価手法にCNTならではの熱輸送性能ついて紹介します。

  1. カーボンナノチューブ (CNT) および配向集合体の基礎と熱物性
    1. CNTの発見とそのユニークな結晶構造、軸方向への巨大な熱・電気伝導異方性
    2. 垂直配向CNT集合体CNTフォレストの構造的メリットとマクロ熱伝導率の現状
  2. 金属基板上への高密度合成プロセスとCNT密度減衰メカニズム
    1. 熱CVD法による高密度配向CNTフォレストの合成技術
    2. 成長中の触媒ダイナミクス
      • アモルファスカーボンの被覆、オストワルド成長、および熱拡散損失による触媒粒子の漸次失活
    3. 長さと密度のトレードオフを数式化するダイナミック密度減衰モデル
    4. 密度減衰が及ぼすマクロ電気抵抗およびマクロ熱抵抗への非線形的な影響
      (並列等価回路モデルによる検証)
  3. 過渡熱応答法 (T3Ster) によるバルク熱抵抗・界面熱抵抗の高度分離評価
    1. TIM測定のJEDEC規格に準拠した過渡熱応答評価技術
    2. 熱構造関数による、バルク材料内熱フローと接触界面熱抵抗の層分離・定量化
  4. CNTフォレストの極限熱特性改善プロセスと界面接触抵抗の低減
    1. なぜCNT/金属界面の接触熱抵抗は高いのか?
      • CNT (フォノン) と金属 (自由電子) の熱担体不整合 (アコースティックミスマッチ) と散乱
    2. プラズマエッチングによる表面のクラスト層 (絡まり) の精密除去と、CNT先端部の直立・整列効果
    3. CNT先端部へのAlナノキャップ構造によるフォノンブリッジ効果
    4. 界面結合の違いが熱伝導に与える定量的比較
      • SUS直接成長
      • Alキャップ接触
      • 自立CNT単純物理接触
      • 非金属グラファイト接触
    5. 2000°C〜2200°Cの超高温アニールによるCNTの結晶欠陥修復と、CNT熱伝導率の向上
  5. 社会実装を見据えた実用フィルム型CNT-TIMの開発と応用可能性
    1. ポリフェニレンスルフィド (PPS) フィルムを用いた両面CNTホットプレス接合プロセス
    2. フィルム型CNT-TIMの伝熱特性
    3. TIM実装における接触圧力 (100 kPa〜1 MPa) およびボンドライン厚み (BLT) が熱抵抗に与える影響
    4. 繰り返し加圧熱サイクルに対する優れた構造安定性と弾性回復挙動
    • 質疑応答

第3部 シリコーン系TIM材料の技術・開発動向

(2026年10月2日 14:40〜15:10)

 放熱材料は電子部品等の発熱部位と冷却システムの間に存在する隙間を埋め、効率的に熱を逃がすことが可能な材料である。電子機器の小型化・高集積化に伴い、実装部品の発熱量は増加傾向にあることから、熱対策として放熱材料の需要は高まっている。  また、車の電動化や自動運転化に伴い、車への電装部品の積載が進んでおり、車載用途として高い信頼性の要求に耐えうる放熱材料が求められている。  当社は耐熱性・耐候性・耐寒性・柔軟性といった特徴を有するシリコーンをベースに用いた放熱材料を開発している。  本講座の前半では『シリコーンの特性』や放熱材料を扱う上で必要な知識である『放熱特性の指標』や『放熱材料を高性能化させるアプローチ』について紹介する。後半は当社が展開する高い放熱特性と高い信頼性を併せ持った放熱材料のラインナップ (ギャップフィラー、放熱グリース、放熱シート、放熱パッド等) を紹介する。

  1. シリコーン放熱材料の概要
    1. 放熱材料の役割
    2. 放熱特性の指標
    3. シリコーンの特性
  2. シリコーン放熱材料の高性能化アプローチ
    1. 高熱伝導率化 (熱伝導性フィラーの最適化)
    2. 接触熱抵抗の低減
  3. シリコーン放熱材料の技術・開発動向
    1. 当社液状放熱材料の紹介
      • ギャップフィラー
      • 放熱グリース
    2. 当社加工品の紹介
      • 高硬度シート
      • 低硬度パッド
      • フェイズチェンジマテリアル
    • 質疑応答

第4部 ウレタン系TIMの特性と高熱伝導化について

(2026年10月2日 15:20〜16:20)

 近年、電子機器の高性能化、小型化による高密度実装化が進み、多くの部品やユニットにおいて熱対策が重要な課題となっている。熱対策には、熱伝導、対流、熱放射の手段がある。TIM (Thermal Interface Material) には、電子部品から発生する熱の排熱のために、高熱伝導化が求められている。  熱伝導材料は、信頼性や界面熱抵抗の観点から、シリコーン系が主流となっている。しかし、シリコーン系にもいくつかの課題があるため、ウレタン系TIMの選択肢を示すとともに、配合技術の基礎について解説する。

  1. 放熱材料の種類と市場及び用途
    1. 伝熱メカニズムと種類
    2. 市場と用途
  2. ウレタン系TIMの材料構成と構造
    1. ポリオール
    2. 鎖延長剤
    3. イソシアネート
    4. 触媒
    5. 添加剤
    6. 熱伝導フィラー
    7. 構造
  3. ウレタン系TIMの特長と評価
    1. 特長
    2. 熱抵抗と熱伝導率
    3. 振動吸収性
  4. ウレタン系TIMの課題
    1. 耐久性/信頼性
    2. 量産設備への適合性
  5. ウレタン系TIMの性能
    1. プロトタイプ品の性質
    2. 耐久性
    3. ブリードアウト
  6. 更なる高熱伝導化
    1. フィラーの最密充填
    2. 特性
  7. まとめ
    • 質疑応答

受講料

  • 1名様: 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
  • 複数名: 55,000円(税別) / 60,500円(税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

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