電子部品の小型化や機器の実装密度の増大により、電子機器は放熱限界ぎりぎりのところで設計されています。
熱はチップから部品、基板、筐体を通過して外気に逃げるため、この放熱経路を初期段階で最適化しておかなければなりません。熱設計は図面を書き始めてからでは遅いのです。
本講習会では「熱設計の上流化」を進めるために重要になるポイントを解説するとともに、品質、信頼性の高い機器を設計するために行うべき方策を具体的に説明致します
- 上流熱設計が必要となった背景
- 熱設計プロセスと課題のマップ
- 最近の機器、基板、部品の進歩と熱問題
- 温度上限が決められる理由
- 機能要因、機械的寿命、化学的寿命
- 安全性・対人的要因
- 伝熱の基礎 (電卓/PCによる演習を含む)
- 熱移動の基礎式
- 熱伝導のメカニズムと熱設計上のポイント
- 接触熱抵抗
- 放熱経路が直列か並列による対策の差異
- 対流のメカニズムと熱設計上のポイント
- 放射のメカニズムと熱設計上のポイント
- 物質移動による熱輸送
【電卓による演習】多層板の熱伝導計算、平板の放熱量計算
- 設計上流の熱対策① 放熱経路を決める
- 機器の放熱経路と放熱メカニズム
- 機器の熱等価回路
- 熱対策の分類体系
- 設計上流の熱対策② 筺体温度の概算方法と熱設計の定石
- 自然空冷機器の通風口の決め方
- 密閉機器の放熱ルートの決め方
- 強制空冷機器の流路設計方法
- 設計上流の熱対策③ プリント基板の熱対策
- 基板の種類と熱特性
- 危険部品と安全部品の仕分け
- 危険部品の熱対策の仕分け
- 設計上流の熱対策④ ヒートシンクのパラメータ設計
- 設計上流で決めるヒートシンクの目標熱抵抗
- 自然空冷ヒートシンクの熱抵抗と諸パラメータの関係
- 強制空冷ヒートシンクの最適化と注意事項
- 複数部品を実装するヒートシンクの最適化