第1部 マイクロ化学プラントの構成と各種機器・装置の開発動向、工業化事例
(2013年1月29日 11:00〜12:10)
東レエンジニアリング (株) 開発部門 要素技術開発センター 主任技師 馬場 美貴男 氏
医薬・ケミカル分野の製造プロセスに既存プロセスに代えてマイクロ化学技術を導入する動きが活発化している。
このようなプロセス革新に取り組む研究者・企業担当者の方へ、国等の開発への取り組み状況、適用する装置開発状況、工業化の課題と対策、工業化事例等の情報を提供し、マイクロ化学技術での工業化促進を図りたい。
- マイクロ化学技術の研究・開発動向 (国等の動向)
- マイクロ化学プロセス工業化
- 工業化課題と対策
- 工業化事例
- マイクロ化学試験装置の紹介
- ミキサー
- リアクター
- ポンプ
- センサー
第2部 マイクロ化学技術の特徴とプロセス開発動向
(2013年1月29日 13:00〜14:30)
京都大学 大学院 工学研究科 化学工学専攻 教授 前 一廣 氏
日本でマイクロ化学プロセスの研究開発が本格化して約12年が経過し、実用化例もいくつか出現し、高機能製品を上市する状況に至っている。
本講演では、今後マイクロ化学生産プロセスの展開を考える上で、基本に戻ってマイクロ流路がもつ特徴を効果的な利用事例とともに解説しまとめる。
次に、この10年で、日本国内で研究開発されてきた主要なマイクロ化学プロセスを製品対象別に詳述する。最後に、マイクロ化学生産プロセスがもつ課題と、今後の化学産業の取るべき方向性からみた本技術の重要性、可能性を言及する。
- マイクロ流路内での輸送特性の特徴
- マイクロリアクター利用のコンセプトとその操作例
- 混合制御 (急速混合と精緻混合)
ナノ粒子製造、合金触媒構造制御など
- 熱制御
マイクロ流路の熱制御のポテンシャル
- 界面制御
マイクロエマルション~サブミリエマルションの粒度制御
- 滞留時間制御
活性種寿命に対応した短時間制御による高効率合成反応
- マイクロリアクターの技術的特徴
- マイクロリアクター開発手順から見た差別化技術
- マイクロリアクター技術利用の方向性
- 日本におけるマイクロ化学生産プロセスの開発状況概要
- 有機合成プロセス
- ナノ粒子製造プロセス
- エマルション製造プロセス
- 高分子製造プロセス
- 爆発性化合物の安全製造プロセス
- 水素製造プロセス
- マイクロ化学生産プロセスで解決すべき課題
- まとめ
次世代化学産業技術としてのマイクロ化学プロセスがもたらす多面的効果
第3部 マイクロ化学プラントの最適設計と計測制御
(2013年1月29日 14:40〜16:10)
京都大学 大学院 工学研究科 化学工学専攻 教授 長谷部 伸治 氏
マイクロ化学プラントの設計には、通常の単位操作や化学プラントの設計と異なる点が多々存在する。また、設計・建設されたプラントを運転する際にも,通常の化学プラントと異なった視点での注意が必要である.
本講座では、今後実用化をさらに進めていく際に問題となる点について、運転、計測、制御の観点から説明する。
- マイクロ化学プラントの最適設計
- バッチプラントとの比較
- 形状最適化
- 構造最適化 (ナンバリングアップ)
- マイクロ化学プラントの制御
- 温度制御の考え方
- 流量制御の考え方
- 間接情報からの状態推定
- マイクロ化学プラントの異常診断
- 流路閉塞を考慮した流量制御
- 並列設備の閉塞推定・診断
- おわりに ―イノベーションを目指して
第4部 マイクロリアクターによるプロセス強化 (Process Intensification) とその想定され得る一定の限界並びにそれをブレークスルーすることが可能な新しいフローリアクター
(2013年1月29日 16:20〜17:30)
JAASインターナショナル (株) 事業部長 近藤 賢 氏
コーニングのマイクロリアクターによるプロセス強化について性能面に着目して概説しつつ、その想定されうる限界点についてもコメントする。
そして、それをブレークスルー可能な新しいフローリアクターの概念と製品および事例についても概説する。
- マイクロリアクターとは
- 定義の共有化
- プロセス強化とは
- 定義の共有化
- 汎用のマイクロリアクター
- コーニングのマイクロリアクター
- 構造 (ハート型エレメント)
- 仕様 (各ジェネレーションごと)
- 容量 (処理量)
- 混合性 (物質移動係数と処理量とについての既存マイクロリアターとの対比)
- 気液混合性 (気液界面積の測定&既存気液混合プロセスとの対比)
- 不混和系の混合性
- 混合状態が持続可能であることの説明
- 熱交換性 (既存プロセスとの対比)
- 固体のハンドリング
- 固体触媒を用いた水素化の事例
- 固体析出のケースの検証と自己洗浄性の例示
- 一定の想定される限界点 (アプリケーションの範囲が限定され得る要因)
- 流れ方向下方への固体沈降を抑止できない (比重差のある金属等は沈降>ブロッキングを惹起しやすい)
- 流通できる固体サイズに小さい領域内での一定の限度がある
- 滞留時間に一定の限界がある
- 新しいフローリアクター
- 多段CSTRの概念
- 多段CSTRを実現したCoflore
- 構造 (リアクターの構造と振動機構について)
- 特徴 (流速に依存しない高い混合性)
- 固体ハンドリングへの高い柔軟性
- 固体がらみのプロセス上の課題点
- 既存のフローリアクターによる固体ハンドリングの課題
- Cofloreの固体ハンドリングへの柔軟性を示す例
- 長時間の滞留時間への適合性
- 固体およびガスや長時間滞留時間を伴う反応等いくつかの事例の紹介
- まとめ (提案)
マイクロリアクタ―とCofloreとの組み合わせの提案 (ある一定の反応のケースをもとに)