本セミナーでは、架橋高分子の分類や架橋反応に利用される化学反応、実用化されている各種機能性架橋高分子の実際、注目のリサイクル可能架橋高分子や可動性架橋高分子まで詳解いたします。
架橋高分子は、線状高分子鎖同士が化学結合によって結びつけられ、三次元的なネットワーク構造を形成しているものである。 このような三次元高分子の歴史は古く、フェノール樹脂が工業化されたのは1910年のことである。合成高分子の代表と考えられているナイロンが生産され始めたのが1930年代であることを考えれば、架橋高分子がいかに長い歴史を有しているかがわかる。 私たちの身の周りを眺めてみても、ゴム、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの多くの架橋高分子を見つけることができる。さらに、架橋高分子は、高性能樹脂としてばかりでなく、DDSなどの医療材料を始めとした各種機能ゲルなどの未来材料としても大きな可能性を秘めている高分子素材である。 本講では、架橋高分子に関する基礎的な事項の習得とともに、未来材料としての架橋高分子の紹介を目的としている。架橋高分子の分類や架橋反応に利用される化学反応の紹介から始まり、現在実用化されている各種機能性架橋高分子の実際を紹介をするとともに、近年注目されているリサイクル可能架橋高分子や可動性架橋高分子についても紹介する。