医薬品は、新薬の場合、10〜15年に及ぶ長期の開発期間を経て、販売承認申請のための膨大な資料が整備される。審査において評価される非臨床試験や臨床試験のデータは、多くが過去に取得されたものであり、その妥当性は当時作成された記録や文書に依拠して判断される。すなわち、医薬品の承認審査は、これら記録・文書の信頼性を基盤として成立している。
このため、記録に不備や不適切な記載があれば、科学的な評価が困難となり、承認の遅延や不承認につながる可能性がある。さらに、虚偽記載やデータ改竄があった場合には、製品の品質・有効性・安全性に対する社会的信頼を大きく損なうことになる。実際に過去には、記録の不備やデータインテグリティの欠如に起因する重大な問題事例が報告されている。
こうした背景のもと、承認申請資料の信頼性は、いわゆる信頼性基準により厳格に求められている。一方で、市販製品の品質を担保する製造段階においては、GMPの枠組みのもとで記録の正確性・完全性・追跡可能性が求められる。両者は目的や適用範囲に違いはあるものの、「記録の信頼性確保」という点で本質的に共通している。
本セミナーでは、信頼性基準とGMPの違いを整理した上で、それぞれにおけるQC/QAの役割を明確化するとともに、生データおよび各種記録の適切な取扱いについて、データインテグリティ (ALCOA+) の観点から解説する。さらに、査察や適合性調査で指摘される典型的な問題事例を取り上げ、その背景要因と実効的な対応策について考察することで、実務に直結する留意点を提示する。
- はじめに:なぜ「記録の信頼性」が問題になるのか
- 歴史に見る信頼性
- 医薬品開発における記録・作成文書の位置づけ
- 過去データに依存する審査の本質
- 記録不備が引き起こすリスク
- 信頼性基準と信頼性の基準
- 信頼性基準・信頼性の基準:用語の違いと基本構造
- 信頼性の基準の目的と適用範囲
- 信頼性基準と信頼性の基準 – GLP・GCP・GMPとの関係整理 -
- 生データ (Raw Data) の定義と範囲
- 信頼性の基準に基づいた実験手順
- 開発段階に応じた対応とは – 変更・修正手順 -
- 品質試験に係る自主点検用チェックリスト
- GMPにおける記録管理の考え方
- GMPの目的と品質保証の枠組み
- 製造記録・試験記録の役割
- バッチ記録とトレーサビリティ
- 記録と逸脱・変更管理の関係
- 信頼性基準とGMPの違いと共通点
- 「点の信頼性」と「プロセスの信頼性」
- 適用フェーズの違い (開発 vs 製造)
- 共通する本質:データインテグリティ
- 査察・調査における見られ方の違い
- 信頼性の基準とGMPにおける典型的な問題事例
- 生データ不在・原資料不備
- 転記ミス・データ不整合
- 後書き・遡及記録
- 試験記録の改竄・再試験問題
- 逸脱の未記録・過小評価
- QC/QAの役割の違いと実務
- QCの役割と責任:データの取得と技術的正確性
- QAの役割と責任:システム保証と独立性
- 信頼性基準下でのQAの関与
- GMP下でのQAレビューの実際
- QC/QAの責任分担の曖昧さが生む問題
- 生データと記録の取扱い (基礎)
- 生データとは何か (電子・紙の違い)
- 原本 (Original) と真正性 (Authenticity)
- 記録修正のルール (訂正・追記)
- 電子データと監査証跡 (Audit Trail)
- サンプリングと記録の関係 (重要ポイント)
- なぜサンプリングが記録の信頼性に影響するのか
- サンプリングの恣意性とバイアス
- ワーストケースの捉え方
- 記録として残すべきサンプリング情報
- データインテグリティ (ALCOA+)
- ALCOA+の基本概念
- 各要素の実務上の意味
- DI違反が起こる構造的要因
- 組織文化 (Quality Culture) との関係
- 信頼性に係る問題の根本原因分析
- ヒューマンエラー vs 意図的逸脱
- SOPと実態の乖離
- 教育訓練不足と組織的圧力
- QA機能不全のパターン
- 実効的な改善策と査察対応
- まとめ
複数名受講割引
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 38,200円(税別) / 42,020円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
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- 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
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アカデミー割引
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アーカイブ配信セミナー
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