2026年、私たちは「エネルギー」と「資源」の二つの安全保障が同時に揺らぐ、歴史的な転換点に立っております。ホルムズ海峡の事実上の封鎖により、原油の中東依存度が約95%という日本の構造的脆弱性が改めて顕在化し、化石燃料からの転換と再生可能エネルギーの戦略的重要性が、これまでにない切迫感を持って語られるようになりました。
一方、その再生可能エネルギー設備 (太陽光パネル、風力発電、蓄電池) は、ネオジム、ジスプロシウム、リチウム、コバルトなどのレアアース・レアメタルを多用しております。2026年1月の対日輸出規制で露呈したとおり、これらの調達も特定国に強く依存している現実があります。エネルギー転換を進めれば進めるほど、新たな資源依存が深まるという、ねじれた構造の中で、私たち製造業はどう動けばよいのでしょうか。
本セミナーは、その答えの中核に「資源循環」を据えてお話しいたします。再生可能エネルギー設備の大量廃棄時代がいよいよ目前に迫る中、使用済みパネル・風車・蓄電池からの有価物・レアメタル回収は、廃棄物処理の問題から「経済安全保障の主戦場」へと位置づけが変わりつつあります。本セミナーでは、再生可能エネルギー拡大とリサイクル技術を切り離さず、エネルギー安全保障と資源安全保障を同時に高める道筋を、技術・採算・政策・国際連携の各側面から立体的に整理いたします。
講師は、大手ケミカルHDで30か国以上の工場運営と機能性樹脂開発を経て、2014年11月に株式会社DCTAを創業した畠山達彦でございます。CLOMAインドネシア協力WGチームリーダー、リサイクル分析WGデータベース構築チームリーダーを務め、AEPW・RECEICとも連携しながら、国内外のリサイクルソリューション構築の最前線で活動しております。本セミナーでは、座学の整理にとどまらず、東南アジアの現地で動かしてきた実装プロジェクトの生情報、そして製造現場と静脈系現場の双方を知る講師ならではの「現場で本当につまずく理由」まで、具体的にお伝えいたします。
再生可能エネルギーを「導入」だけでなく「出口」まで設計したい方、レアメタル調達リスクへの現実的な備えを探している方、サーキュラーエコノミーを事業に組み込みたい方にとって、明日からの一手が見えるセミナーとしてお届けいたします。
- はじめに:エネルギー安全保障と資源安全保障が同時に揺らぐ時代
- 講師自己紹介と、本セミナーで特にお伝えしたい問題意識
- ホルムズ海峡の事実上の封鎖と、原油中東依存度約95%という日本の構造的脆弱性
- 化石燃料の供給不安が、改めて押し上げた再生可能エネルギーの戦略的重要性
- ところが、再生可能エネルギー設備はレアアース・レアメタルを多用するというねじれ
- 2026年1月の対日レアアース輸出規制が露呈させた、もう一つの安全保障問題
- 「導入」だけで終わらせず、「出口 (リサイクル) 」まで設計する必要性
- 再生可能エネルギー設備の大量廃棄時代が、すぐそこに来ている
- 国内・世界の再生可能エネルギー導入量と、ストックされた設備の現状
- 設備別に見る、これからの廃棄の波
- 太陽光パネル:2030年代以降の急増シナリオと、想定される廃棄量
- 風力発電設備:ブレード、ナセル、ジェネレーターの更新サイクル
- 車載・定置用蓄電池:EV普及とともに迫る大量廃棄
- 各設備に含まれる有価物・有害物の整理
- 現状の処理体制と、追いついていない部分
- 「適正処理」から「資源回収」への発想転換が求められる理由
- 太陽光パネルのリサイクル:現場の課題と技術動向
- パネル構造の理解
- 分離技術の最新動向
- ガラスと金属の分離:物理的手法と熱処理の比較
- 封止材 (EVA) の処理が招く現場のトラブル
- 微量金属 (銀・レアメタル等) の回収の難しさと意義
- 回収・運搬・処理のコスト構造と、採算が成立する条件
- 国内外の処理・リサイクルの取り組み事例
- 不法投棄リスクと、トレーサビリティ確保の重要性
- 風車・蓄電池のリサイクル:レアメタル回収という戦略的価値
- 風車のリサイクル
- ブレード (GFRP/CFRP) 処理の難しさと、解決アプローチ
- ジェネレーター内永久磁石 (ネオジム・ジスプロシウム) 回収の意義
- 蓄電池のリサイクル
- リチウム・コバルト・ニッケル等の回収技術
- 黒鉛・銅などのレアメタル外の有価物の取り扱い
- 再生可能エネルギー設備のリサイクルが、レアメタル調達リスクの緩和に直結する構造
- 「都市鉱山」を理念ではなく事業として捉え直す視点
- サプライチェーン全体で見る、再生可能エネルギー×資源循環の経済安全保障
- レアアース・レアメタル供給構造の現状
- 採掘から精製・加工までの工程別シェアと、特定国集中の実態
- 「採掘地を分散しても、精製で特定国を経由する」構造問題
- 規制・制裁が突きつけた、企業にとっての実務的影響のタイムライン
- 国家備蓄、代替調達ルート、フレンドショアリングの位置づけと限界
- 国内回収・精製技術の確立という長期戦の構図
- 事業化の壁を越える:採算・スキーム・連携の現場知
- 回収レアアースのコスト構造と、市況変動が事業に与える影響
- 回収量を確保するための、製品回収スキームの設計
- リサイクル材を使う側との連携の進め方
- 重希土類フリー磁石、設計段階での依存低減という「合わせ技」
- オフテイク契約 (買い取り約束) の重要性と交渉の勘所
- 補助金頼みから脱却するための収益設計の考え方
- 国内循環と国際連携:強靭なサプライチェーンへ
- 国内での回収・精製拠点づくりに向けた産官学連携の動き
- 重要鉱物の国内循環を促す政策動向 (1兆円規模の行動計画ほか)
- CLOMA・AEPW・RECEICを活用した国際連携の進め方
- インドネシア中部ジャワ州リサイクルタウン構想の現状と、東南アジアでの実装
- 友好国との資源連携と、企業の関わり方
- まとめ:明日から動くための、現実的な一手
- 自社製品・設備に含まれる重要鉱物を、まず把握することから
- 回収・代替・備蓄を組み合わせた、現実的なリスク低減策
- 再生可能エネルギー導入時点で「出口」を設計する、これからの当たり前
- 受講者の現場課題を持ち寄ったディスカッション
- 質疑応答
複数名受講割引
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,400円(税別) / 37,840円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
- 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 請求書は、代表者にご送付いたします。
- 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
- 他の割引は併用できません。
- サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。
アカデミー割引
教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。
- 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
- 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
- お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。
ライブ配信セミナーについて
- 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
- お申し込み前に、 Zoomのシステム要件 と テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
- 開催日前に、接続先URL、ミーティングID、パスワードを別途ご連絡いたします。
- セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
- セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
- ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
- タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
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