第1部 ガス吸着材料への気体吸着現象の基礎と材料開発への考え方
(2013年1月25日 10:15〜12:45)
講師:
岡山理科大学 理学部 化学科 教授 森重 國光 氏
吸着現象は分離・精製・回収操作を必要とする、さまざまな産業分野で使われている。吸着現象の利用の歴史は古く、また研究の歴史も長いが、新規吸着剤の開発および吸着現象の全容解明の努力は現在も盛んに行われている。
本講演では、まず吸着現象の基礎となる固体表面と吸着相互作用を解説する。続いて、吸着の研究で必ず測定される吸着等温線からどのような情報が得られるかを解説する。最後に吸着現象の利用例および最近の展開を紹介する。
- 気体吸着現象の基礎
- 吸着現象とは
- 固体表面の形状
- 表面の物理的化学的状態
- 細孔
- 規則的構造をもつ細孔
- 無秩序な細孔
- 大きさによる分類
- 吸着相互作用
- 吸着等温線 (表面積と細孔)
- 吸着等温線の分類
- 吸着剤の表面積とは
- 多孔体への気体の毛細管凝縮
- マイクロ孔多孔体への吸着
- 吸着等温線の測定法
- 試料の前処理
- 容量法
- 重量法
- 吸着現象の利用
- 吸着剤の評価
- 乾燥
- 精製
- 分離・分析・回収
- エネルギーガス貯蔵
- 吸着式ヒートポンプ
- 吸着剤
- 活性炭
- シリカゲル
- ゼオライト
- 新規な吸着剤
- 鋳型法多孔体
- 金属有機構造体 (MOF)
第2部 吸着等温線による各種材料の基礎・最新キャラクタリゼーション技術 ~比表面積/細孔分布から分子シミュレーションによる細孔評価方法~
(2013年1月25日 13:30〜16:00)
講師:
日本ベル (株) 開発部 開発1課 吉田 将之 氏
吸着等温線による各種材料のキャラクタリゼーションは材料把握において必要不可欠である。
そこで、本講では吸着等温線取得のためのノウハウ及び等温線から比表面積・細孔分布評価を行うために必要な基礎論、更に、注目を集めいているNLDFTとGCMCによる細孔評価技術を解説する。
また、最新の吸着技術を用いたアプリケーション例をご紹介し、実材料におけるキャラクタリゼーション方法の理解を深めていただく。
- はじめに
- 身近な吸着
- 吸着の社会における役割
- 吸着によってわかること
- 吸着等温線
- 吸着等温線測定と細孔径
- 吸着等温線測定方法
- 正確な吸着等温線測定におけるノウハウ
- 極低圧からの吸着等温線測定のススメ
- 比表面積
- 比表面積とは (BET法)
- II型・IV型等温線におけるBET評価
- I型等温線におけるBET評価
- 平面吸着理論
- t法
- αs法
- 細孔分布・毛管凝縮理論
- BJH法
- INNES法
- 細孔分布・吸着ポテンシャル理論
- SF法
- HK法
- 分子シミュレーション
- NLDFT法
- GCMC法
- NLDFT法とGCMC法の違い
- 最新吸着評価技術
- メソポーラスゼオライトのキャラクタリゼーション
- CBおよび活性炭素繊維のキャラ歌リゼーション