近年、AI向け半導体やパワーデバイスの高性能化に伴い、発熱密度は急速に増大し、従来の空冷・単相水冷では対応が困難な領域に到達しつつある。
本講演ではまず、数100 W/cm2級の高熱流束を除去可能とする最新の沸騰冷却技術およびその実証例を提示し、現状の技術到達点を概観する。その上で、なぜ従来技術では冷却限界に至るのか、限界熱流束 (CHF) やドライアウトといった現象の本質に遡って解説する。さらに、液膜流動・毛細管力・気泡ダイナミクスといった支配因子を整理し、多孔質構造を活用した高性能化のメカニズムを示す。最後に、電子機器・半導体冷却への応用を見据え、設計指針や評価指標、実装上の課題について整理し、実務に活用可能な視点を提供する。
- はじめに – 冷却が制約となる時代
- データセンターと冷却エネルギー (CO2問題)
- 半導体・パワーデバイスの高発熱化
- 空冷・単相冷却の限界
- 沸騰冷却の可能性と現状
- 高熱流束除熱 (数100 W/cm2級) の実現例
- 従来冷却技術との比較
- なぜ沸騰冷却が注目されているのか
- 多孔質構造を用いた沸騰冷却技術
- なぜ冷却は限界に達するのか (ドライアウト)
- ハニカム多孔質体の構造と基本原理
- 液供給と蒸発のバランス
- 二層構造による液供給の安定化と性能向上
- 自己組織化多孔体の形成と特徴
- 構造パラメータと冷却性能の関係
- 接触熱抵抗 (界面熱抵抗) の影響
- 沸騰現象の基礎
- 沸騰曲線と熱伝達の基本
- 限界熱流束とドライアウト
- 液膜流動と気泡挙動
- 毛細管力による液供給
- 設計・適用に向けた考え方
- 冷却性能を支配する要因の整理
- 多孔質構造設計の基本的な視点
- 実装時に留意すべき点
- 応用と今後の展開
- 適用が期待される領域
- 実装に向けた課題
- 今後の展開と可能性
- まとめ
- 冷却限界を決める本質
- 多孔質構造による性能向上の考え方
- 今後の技術展開
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